坂口力元厚労相 死去 カネミ油症患者の心の支えだった… 当事者や長崎県内政界から惜しむ声

次世代救済について油症被害者の訴えを聞く坂口元厚労相(右)=2019年6月、東京都千代田区の弁護士会館

 長崎県などに被害者が多いカネミ油症の原因究明や救済に尽力した坂口力元厚生労働相。「油症患者の心の支えだった」−。12日、当事者や県内政界からは死去を惜しむ声が相次いだ。

 坂口氏は厚労相時代、油症の主因をポリ塩化ビフェニール(PCB)より毒性が強いポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)とする見解を示し、診断基準の改正につながった。カネミ油症被害者全国連絡会の曽我部和弘世話人会代表は「救済の流れが一気に加速した。坂口先生の動きがなければ救済法もなかった」と振り返る。

 長崎本土地区油症被害者の会の下田順子代表によると、2019年に面会した際に坂口氏は次世代救済の必要性を強調していたという。「常に国の見解から一歩踏み込み、患者目線で寄り添ってくれた」と感謝した。

 カネミ油症被害者五島市の会の旭梶山英臣会長は、坂口氏を懐かしみながら「油症の経過や救済の歩みを知る政治家が少なくなり、風化が心配だ」と話した。

 衆院厚生労働委員長などを務め、厚生労働行政を通じて親交があった冨岡勉元衆院議員は「温厚で、しっかりした考えを持った方。油症の諸問題で支えてもらった」、被害者救済に努めた谷川弥一元衆院議員は「大所高所からご意見をいただいた」と惜しんだ。

Share.