筆者は「DistroWatch」に毎日アクセスしている。「Linux」ディストリビューションの世界で起きていることを把握する上で、極めて貴重な情報が手に入るサイトだからだ。新たにリリースされたディストリビューションを確認したり、興味の赴くままにディストリビューションをチェックしたりできるだけでなく、同サイトのランキングシステムによって、注目を集めているディストリビューションを知ることもできる。

 数日前、そのランキングを眺めていたときに、自分の経験や見解に基づいて、順位を並べ替えてみようと思い立った。皆さんの予想通り、そのランキングはDistroWatchのものとはかなり異なる結果になった。

 本稿執筆時点で、DistroWatchのランキングのトップ10は以下の通りである。

 1. 「CachyOS」

 2. 「Linux Mint」

 3. 「MX Linux」

 4. 「Pop!_OS」

 5. 「Debian」

 6. 「Zorin OS」

 7. 「Fedora」

 8. 「EndeavourOS」

 9. 「Ubuntu」

 10. 「Manjaro」

 今回は、ユーザビリティーに対する筆者独自の観点から順位を付けてみた。結局のところ、ユーザビリティーは、OSを評価する上で最も重要な指標の1つではないだろうか。

筆者が選ぶLinuxディストリビューショントップ10

 というわけで、DistroWatchの上記トップ10を筆者なりに順位付けすると、以下のようになる。

 Zorin OSについては、以前から、最も使いやすいLinuxディストリビューションの1つだと評価してきた。「macOS」や「Windows」から移行してくるユーザーにとって、Zorin OSは理想的なディストリビューションだ。オープンソースかプロプライエタリーかに関係なく、まさにOSのあるべき姿を体現している。Zorin OSが他のディストリビューションより優れている理由の1つは、レイアウトを簡単に選択(または変更)できる点だ。そのため、使い慣れたユーザーインターフェース(UI)をすぐに再現できる。新しいOSに移行しても操作で戸惑うことがないというのは、ユーザビリティーの面で常に大きな利点である。

 もう1つ便利なのが、オープンソースのアプリの提案機能だ。ユーザーがWindows向けのアプリケーションをダウンロードしてインストールしようとすると、同等の機能を持つオープンソースのアプリケーションを提案してくれるというものだ。

 Linuxディストリビューションの「ベスト○○」というランキングを見てみると、Linux Mintは(1位ではないにしても)必ずトップ5に入っているはずだ。Linux MintはUIに関して従来型のアプローチを取っているため、Windowsを使ったことのある人なら、それがどのバージョンであっても、すぐになじめるだろう。また、軽量な「Cinnamon」デスクトップのおかげで、動作も高速である。

 筆者は何年も前からPop!_OSをメインのLinuxディストリビューションとして使用している。近いうちにそれが変わることはないだろう。特に、「COSMIC」がデフォルトのデスクトップになった今ではなおさらだ(その完成度はまさに規格外である)。

 Pop!_OSが初めて登場したとき、開発者だけを対象にしたディストリビューションだろうと筆者は考えていた。ところが、そうした当初の思い込みは完全に間違っていた。Pop!_OSは、開発者やデザイナー、ゲーマー、コンテンツクリエーター、さらには一般ユーザーまで、あらゆるタイプのユーザーに適したデスクトップディストリビューションであった。System76は本当に特別なものを生み出したのである。

 Fedoraの順位がこれほど高いのはおかしい、と思う人もいるかもしれない。しかし、そのユーザビリティーの高さを否定するのは、ますます難しくなってきている。ここ数年で、Fedoraは速度の面だけでなく(実際、かなり高速だ)、ユーザビリティーの面でも飛躍的な進化を遂げた。その進化が最も顕著に表れているのが、Fedoraの「KDE Plasma」版だ。

 「Kubuntu」と「Fedora KDE」を比較した場合、両者に差はほとんどない。このランキングでFedoraの次にUbuntuが来るのは、そのためだ。デフォルト版では、どちらのディストリビューションも「GNOME」デスクトップを採用しているものの、Ubuntuの方がGNOMEをよりユーザーフレンドリーな形で提供していることから、筆者がUbuntuをFedoraよりも高く評価すると思った人もいるかもしれない。

 UbuntuをFedoraよりも低く評価した理由は、採用しているユニバーサルパッケージマネージャーにある。Ubuntuが「Snap」パッケージを採用しているのに対し、Fedoraは「Flatpak」を採用している。そして、(筆者の考えでは)後者の方が圧倒的に優れている。FlatpakのアプリはSnapのアプリよりも起動が速い。さらに、Flatpakは完全にオープンソースである(一方、Snapは部分的にしかオープンソース化されていない)。

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