シンガポールを後にした新型メルセデス・ベンツSクラスは、南半球へと舞台を移し、オーストラリア、そしてニュージーランドを巡る旅へと出発した。

広大な大陸国家と豊かな自然に囲まれた島国。対照的な個性を持つ二つの国は、いずれも自動車が人々の生活に深く根付き、長距離移動を支える重要な存在となっている。メルセデス・ベンツ創業140周年を記念するグローバルジャーニーにおいて、この南半球での旅は、新型Sクラスが掲げる「最高の移動空間」を改めて証明するステージとなった。

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深い森に包まれたブラック・スパー沿いで小休止する2台の新型Sクラス;メルセデス・ベンツのフラッグシップは、オーストラリアの雄大な自然とも見事に調和する。最初の訪問地となったオーストラリアは、日本の約20倍という広大な国土を誇る。都市間の距離は数百km、時には1,000kmを超えることも珍しくなく、自動車には快適性だけでなく、高い安全性や耐久性も求められる。こうした環境だからこそ、長距離を疲れずに移動できるSクラスの価値は際立つ。

旅の拠点となったメルボルンは、文化・芸術の中心地である一方、オーストラリア屈指のモータースポーツ都市としても知られる。市街地に隣接するアルバート・パーク・サーキットではF1オーストラリアGPが開催され、世界中から多くのファンが集う。歴史的建築物と近代的な高層ビルが調和する街並みにはヨーロッパの面影も色濃く残り、ドイツで生まれたメルセデス・ベンツとの相性の良さを感じさせる。

夕暮れのアルバート・パークに佇む新型Sクラス。メルボルンのスカイラインを背に「140年・140カ所」の旅は南半球の新たな記憶を刻む。市内のランドマークを巡った後、一行はビクトリア州を代表するドライブルート「ブラック・スパー」へ向かった。巨大なユーカリが道路を覆う幻想的なワインディングロードでは、雨に濡れた路面でも新型Sクラスが卓越したサスペンション性能と静粛性を発揮。自然が織りなす壮大な景色の中でも、車内はまるでラグジュアリーラウンジのような穏やかな空間が保たれ、長距離ツアラーとしての完成度の高さを改めて印象付けた。

新型Sクラスはメルセデス・ベンツ・オーストラリア本社を訪問;オーストラリア市場は右ハンドル圏の重要拠点であり、SUVからEV、高級サルーンまで幅広いモデルが支持されている。メルセデス・ベンツ・オーストラリア本社に展示された新型Sクラスを興味深くチェックする人々。旅の終盤にはメルセデス・ベンツ・オーストラリア本社も訪問した。右ハンドル市場の重要拠点であるオーストラリアでは、SUVやEV、高級サルーンまで幅広いラインアップが支持されている。厳しい自然環境の中で培われた高い要求に応え続けることが、同ブランドのプレミアムイメージを支えてきたことを実感する訪問となった。

「人とクルマ、そして自然が調和する国」ニュージーランドオーストラリアを後にした新型Sクラスは、南太平洋に浮かぶニュージーランドへ上陸する。雄大な自然と成熟した自動車文化が共存するこの国は、世界有数のドライブルートを数多く擁する「ドライブ大国」でもある。

オークランドで開催された顧客イベント;創業140周年を記念する特別仕様の新型Sクラスが披露され、ブランドの伝統と革新を祝う華やかなひとときとなった。旅のスタート地点となったオークランドは、ニュージーランド最大の都市であり、港湾都市として「シティ・オブ・セイルズ(帆の街)」の愛称でも親しまれている。人口の約3分の1が暮らすこの都市では、新型Sクラスが顧客向けイベントに参加し、最新のラグジュアリーモビリティとして多くの来場者を魅了した。多文化社会ならではの洗練された街並みは、Sクラスの存在感を一層引き立てていた。

オークランド南部のアードモア空港では、クラシックカーミーティングも開催された。ニュージーランドには古い欧州車を大切に乗り続ける文化が根付いており、歴代メルセデス・ベンツと最新のSクラスが並ぶ光景は、ブランドが140年にわたり受け継いできた伝統と革新を象徴する瞬間となった。

アードモア空港でのクラシックカーミーティング;歴代メルセデス・ベンツに囲まれ、新型Sクラスが140周年記念ツアーの存在感を示した。さらに西海岸のカリオタヒビーチでは、タスマン海から吹き付ける潮風と広大な砂浜が織りなす絶景の中を走行。圧倒的な静粛性と快適な乗り心地は、雄大な自然と見事に調和し、移動そのものを豊かな時間へと変えていく。

西海岸に広がるダイナミックなカリオタヒビーチ;新型Sクラスはこの壮大な風景の中を優雅に走り抜ける。その後、一行はウェリントン近郊にあるサウスワード自動車博物館を訪問した。南半球屈指の自動車博物館として知られるこの施設には数百台もの歴史的車両が展示され、自動車技術の進化を一望できる。歴代メルセデス・ベンツが築いてきた歴史を目の当たりにすることで、新型Sクラスが受け継ぐ伝統の重みを改めて感じることができた。

サウスワード自動車博物館で対面した新型Sクラスと1895年のベンツ ヴェロ;特に1895年のベンツ ヴェロはサウスワード自動車博物館の代表的な展示車であり、2026年の新型Sクラスまで革新の歴史を一枚に収めた。旅の締めくくりとなったのは、北島中央部の火山地帯を貫く「デザートロード」である。トンガリロ国立公園周辺を走るこのルートは、活火山と広大な高原が織りなす独特の景観で知られ、映画のロケ地としても有名だ。荒涼とした風景の中を滑るように走るSクラスは、高速巡航時の圧倒的な安定性と快適性を存分に発揮し、長距離ツアラーとしての真価を見せつけた。

広大な大陸を走るオーストラリア、そして人と自然、自動車文化が美しく調和するニュージーランド。それぞれ異なる魅力を持つ二つの国で、新型Sクラスは卓越した快適性、安全性、そしてラグジュアリーを余すことなく体現した。創業140周年を迎えたメルセデス・ベンツが世界を巡るこの旅は、単なるプロモーションではない。世界各地の文化や人々の暮らしと向き合いながら、「移動の価値とは何か」を改めて問いかける旅でもあった。そして南半球の大自然は、その答えを静かに教えてくれていた。

Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)Photo: Mercedes-Benz Group

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