シュナイダーエレクトリックは、山口赤十字病院(山口市)における医療情報基盤の再構築プロジェクトで、コンテナー型データセンターの導入を支援し、高密度化と高い冗長性を兼ね備えたファシリティー環境を実現したと発表した。分散していたサーバー環境を統合し、約20ラック規模のシステムを8ラックへと集約し、電力使用効率(PUE)1.2台の高効率な省エネ性能を達成した。

新設したコンテナー型データセンター
山口赤十字病院は、病床数327床を有し、救急医療を含む急性期医療を担う地域の中核的医療機関。2024年4月の新病棟オープンに向け、再整備プロジェクトの中で、旧病棟内に分散していた2カ所のサーバールームを統合・移設する必要に迫られていた。
しかし、新病棟内での設置スペースの制約に加え、建設スケジュールへの影響を最小限に抑える必要があり、短期間で導入可能で柔軟な設置が可能なコンテナー型データセンターの採用を決断した。
プロジェクトにおける最大の課題は、「限られた空間での高密度化」と「医療システムに求められる高い可用性の確保」の両立。電子カルテをはじめとする医療情報システムは停止が許されないクリティカルな基盤であり、単なる集約ではなく冗長性を備えた設計が不可欠となる。
この課題に対し、シュナイダーエレクトリックは集約型無停電電源装置(UPS)「Galaxy VS」、ITラック「NetShelter SX」、およびラック用電源タップ(PDU)を組み合わせた統合電源・ラックインフラを提供した。
これにより、従来は2部屋に分散していた約20ラック相当のシステムを、約60%の省スペースとなる8ラックへと効率的に集約。コンテナー型という限られた物理空間の中でも高密度かつ安定した運用を可能にした。

導入された集約型UPS Galaxy UPSやITラック
加えて、UPSの高効率設計と最適化されたラック構成により、電力供給と空調効率の両立を実現。コンテナー型データセンターにおいてもPUE1.2台という高いエネルギー効率を達成している。
一般にデータセンターでは冷却や電源ロスがコストと環境負荷の重要な要因となるが、本構成ではそれらを大幅に抑制した。また、リチウムイオンバッテリーの採用により、従来必要だった定期的なバッテリー交換作業を削減し、長期的な運用負荷の軽減にも貢献している。
医療分野では電子カルテや画像診断、遠隔医療、さらにはAI活用の進展によりデータ量が急増している。同時に、災害対策や事業継続計画(BCP)の観点からも、システムの分散化や迅速な復旧能力が求められている。こうした背景の下、短期間で構築可能かつ可搬性・柔軟性に優れるコンテナー型データセンターは、新たな選択肢として注目が高まっている。
今回の山口赤十字病院の事例は、医療機関におけるITインフラの課題解決において、コンテナー型データセンターが実用的かつ有効な手段であることを示すもの。シュナイダーエレクトリックは今後も、電源・冷却・ITインフラを包括的に最適化するエネルギーテクノロジーを通じて、医療機関をはじめとする重要インフラの高度化を支援していく方針だ。
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