奈良県桜井市 音羽山観音寺後藤住職の花だより - 年一番の大きな法要 大般若会に初めて参拝

般若波羅蜜多心経の転読法要。住職は観音様の前に

 4月17日、奈良県桜井市にある音羽山観音寺では毎年、大般若会が行われます。毎月17日が観音寺のご縁日ですが、その中でも一番大きな法要が行われる日です。観音寺に上り始めて3年目に入った記者ですが、大般若会の日に訪れるのは初めて。既に満車に近かった駐車場に車を停め、好天の中観音寺を目指します。

 いつもは一人で上りますが、この日は何組もの参拝者と出会い、それぞれのペースで上ります。そんな中、一人の男性と出会い、話しながら一緒に上りました。いつもバイクで駐車場まで来ているとのことですが、この日は山の下で突然バイクが故障してしまったそう。

 「観音様に修行しろと言われているみたいですわ」

 いつもより下から歩くことになってしまったと、汗を拭きながら急斜面の参道を上ります。最近事業を辞めて、各地の不動明王を訪ねているとのこと。音羽山観音寺には3年前から大般若会の日に通っているそうです。ここで会えたのも何かの縁かもしれませんね。

 心地よい風が吹く参道で、ウグイスが上手に鳴き声を披露していました。

 同行者がいたためか、いつもより心なしか早く寺についた気もします。いつもはシカが入るために閉められている門が、この日は次々とやって来る参拝者を迎えるために開かれていました。

 境内に入ると、本堂に続く石段の脇には2週間前には咲いていなかったシャガが一面に可憐な姿を現していました。

 石段を上り切った釣り鐘堂の横にテントが張られ、住職手作りのジャムなどが販売されています。

 境内には多くの参拝者や、寺の法被を着た人がいろいろな手伝いに動き回っていて、いつもの静かな観音寺とはまったく違う雰囲気です。

 本堂の前にはお釈迦様の誕生を祝う花御堂も飾られ、甘茶も用意されていました。

 10時ちょうどに法要が始まりました。後藤住職を含めて5人の僧侶が法要を務めます。お経や真言を唱え、観音様の方を向いた僧が後ろの参拝者に向けて、散華を撒く場面もありました。たくさんある散華は、本堂の外でお参りしている参拝者にも配ります。

 そして、いよいよ般若経の転読法要が始まります。正式には般若波羅蜜多心経。全600巻を4人の僧侶と、信者4人の8人ですべてのお経に風を当てて、人々の難を取り除き福が生まれるよう祈念します。そのことを「七難即滅七福即生」というそうです。この日は春の心地よい風が本堂にも入っていました。

 延々と読経が続きます。後で住職に聞くと、12個の箱に、1箱50巻のお経が入っており、僧侶は2箱ずつ、信者の代表の人は1箱ずつ担当しているそう。30分ほどかかったでしょうか。600巻すべてのお経を開いて風を当て祈念し、法要は終了します。

 「こんなに小さな寺なのに、大般若経が全部そろっているのも珍しいでしょ」

 住職は少し誇らしげに話していました。

音羽山観音寺
山の中にある尼寺。奈良県桜井市南音羽。
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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