公開日時 2026年05月14日 04:00
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古武道100型チャレンジに参加した空手愛好家ら=4日、那覇市の安里道場
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高辻 浩之
「いちゃりばちょーでー」の精神で
那覇市安里の「ASATO DOJO国際武道交流館」で4日、空手・古武道の型を計100回実践し、心身を鍛錬する「古武道100型チャレンジ」が行われた。世界各地から集まった空手愛好から約20人が、みっちり3時間、稽古に励み国を越え親睦を深めた。主催した道場のジェームス・パンキュビッチ代表(53)は「初心者から熟練者まで誰もが参加できるイベント。『いちゃりばちょーでー』の精神で沖縄から平和の武を世界に発信したい」と滑らかなウチナーグチで語り、汗を輝かせた。
「百練剛」の教え
繰り返し稽古し、強い意志を鍛え上げることを意味する「百練剛(ひゃくれんごう)」という言葉からイベントを発想したジェームスさん。2018年から年に2回、5月は古武道、10月は空手の型でイベントを実施している。4日は賛同する海外の愛好家も現地で参加。イスラエルやアルゼンチン、フィンランドなど延べ10カ国、100人超が参加し古武道に親しんだ。「白松の棍」「前里のヌンチャク」「周氏の棍」などの型を繰り返し実践。釵(さい)や鉄甲といった武具も手に、気合みなぎる稽古を見せた。
エーク(櫂)を使った型=4日、那覇市のASATO DOJO(安里道場)
空手5段、ウチナー婿
イギリス出身で「ウチナー婿」のジェームスさんは2009年に来県。世界松林流空手連盟副会長の新垣敏光範士十段(82)に師事し、空手歴は35年を超え五段の腕前だ。「母国で空手を始め、発祥の地の沖縄で空手を学べることは特別なこと。修練を通し人を敬う心と感謝する心を養っている。まだ旅の途中」と帯を締め直す。
「白松の棍(しろまつのこん)」の型を稽古するジェームスさん=4日、那覇市のASATO DOJO(安里道場)
温故知新の心
ASATO DOJOでは、県内でもめずらしく、異なった流派の稽古も行う。海外からの来館者も多く、空手を通した国際交流の場になっている。「他流派、他国籍の人と交流することで分かることもある。伝統を重んじ、空手の歴史やルーツと、沖縄の歴史、文化の理解が進むことを期待したい」とジェームスさんは温故知新の心で空手と向き合い、 沖縄と海外をつなぐ架け橋となっている。
「周氏の棍(しゅうしのこん)」の型を子どもに指導する新垣敏光範士十段=4日、那覇市のASATO DOJO(安里道場)
沖縄と世界の架け橋に
手甲を使った型を稽古する愛好家ら=4日、那覇市のASATO DOJO(安里道場)
イベントを見守った新垣範士十段は「同じ型を何度も繰り返し忍耐力を養う。礼から始まり礼で終わる空手が、世界に広がることで平和の思想も広がっていく」と話した。スウェーデンから参加した女性(81)は「空手は内面が磨かれ、優しくなれる」と澄んだ笑顔。アメリカから空手留学中の男性は「空手は自然体になれ、調和と平和が学び取れる。初心忘れるべからず」と言葉にも熱がこもる。
「空手100型チャレンジ」は、10月25日の「空手の日」に那覇市の波の上ビーチで開催を予定している。
