2026/05/11
和歌山県・那智勝浦町、新庁舎建設で検討委が中間報告まとめる
和歌山県・那智勝浦町は、施設の老朽化が進む「役場庁舎」について、水道課や教育委員会などの事業所の集約化や老朽化が進む図書館などの施設の複合化も含めた新庁舎の建設を計画し、庁舎整備方針検討委員会で検討を進めており、同委員会は中間報告をとりまとめた。新庁舎規模は最大で5400㎡規模。今後は8月頃までに基本構想、27年3月までに基本計画について答申する予定。
同町役場庁舎は、71年にRC造3階建延約3400㎡の規模で建築され、築後54年が経過し、老朽化が進んでいる。また、04年に行った耐震診断では現在の耐震基準を満たしていないとの結果が出ている。さらに、現在の立地は津波の想定浸水深は南海トラフ巨大地震が約4・5m、三連動地震では約2mとなっている。しかし、庁舎は平常時には行政の拠点として、また、災害発生時等の有事の際には災害対策や事後復興の拠点として極めて重要な役割が期待されている。同町は町民サービス、庁舎機能の向上を図るため、庁舎の耐震化或いは新しい庁舎の建設を始めとして、現在事業所が離れている水道課や教育委員会などの事業所の集約化や老朽化が進む図書館などの施設の複合化も含めて検討を行っている。昨年12月に有識者や自治会等で構成する庁舎整備方針検討委員会を発足させ、庁舎等の整備方針やその機能、施設の配置について、町民サービスの充実や災害対策機能等を踏まえて検討を行い、庁舎等の整備の基本理念や基本方針、敷地選定や基本的な機能などを示す「基本構想」、具体的な配置や周辺整備、機能、事業計画・事業費の算出、民間活力導入可能性調査、事業手法の検討内容を示す「基本計画」について、町長に答申する。今回、検討委員会がとりまとめた新庁舎整備方針に関する中間報告を公表した。
新庁舎は、水道事業所および教育センターを集約化し、必要な庁舎規模を算定。算定は26年1月時点における既存建物の使用状況を整理したうえで、現状の建物規模の合計延面積に加えて、新営一般庁舎面積算定基準(国土交通省)及び25年度地方債同意等基準運用要綱浸水想定等区域移転事業基準(総務省)に準じて行う。職員数は26年1月時点の人数を基準として算出し、今後、人口減少に伴い職員数が減少する場合には、他施設との複合化等により対応することを想定。現時点における庁舎規模は最大値5400㎡を上限値として設定する。概算工事費は約36億8000万円。
新庁舎の整備は、将来世代に無理のない財政運営を守りつつ、必要な機能を備えた庁舎を目指す。限られた予算の中でも効果を最大化し、町民が安心して利用できる施設とするため、3つの柱を基本方針として整備を進めていく。▽命を守る防災拠点としての庁舎=①安全性の高い立地条件〈津波から守る(南海トラフ巨大地震の津波浸水想定区域外など安全性の確保など)、土砂災害・洪水リスクが低く安全(地盤が安定し、液状化の心配が少なく、特別警戒区域回避など安全性の確保)〉②災害に強い建物〈大地震でも建物が壊れない構造、備蓄倉庫完備で食料・資材・医薬品を常時確保、72時間の業務継続が可能な防災拠点機能、災害時の避難スペース〉▽誰もが使いやすく、町の活力を生む庁舎=①分散している機能を1つに集約〈水道課・教育委員会などを本庁舎に統合。住民サービスのワンストップ化など〉②誰にでも優しいユニバーサルデザイン〈高齢者・障がい児者に配慮したバリアフリーなど〉③利便性を高める生活支援機能〈プライバシー保護に配慮された相談室、公共料金総合支払窓口〉④複合化で町の魅力を高め、町とつながる〈図書館等機能(老朽化した公共施設と新庁舎の複合化を検討、子育て支援や教育環境との連携)、多目的ホール機能(地域活動・交流の場として開放、町民が主体的にまちづくりに参加できる環境)、ラウンジ空間(世代を超えた交流の場)、観光・情報発信機能(那智勝浦の魅力を町内外に発信)〉▽未来を見据えた持続可能な庁舎=①将来を見据えたフレキシブル性の高い建物〈コンパクトで経済的な庁舎整備、行政需要や人口規模の変化に併せて最適化が可能、部署の増減や再編及び機能の複合化や転換が容易な建物〉②環境に優しく経済的な庁舎〈太陽光発電等で再生可能エネルギー活用、ZEB化でCO2排出を削減など〉③DXへの対応〈人口減少を見据えたDX化を推進、最新のICT基盤整備で将来の技術革新に対応など〉。