米WTI原油先物価格(原油価格)は今週に入り、1バレル=85ドルから99ドルの間で推移している。米国とイランの間の停戦協議を巡る不透明感から原油価格が乱高下する展開が依然として続いている。

 まず中東紛争が世界の原油供給に与える影響についてみてみたい。

 中東紛争により世界の原油供給が大幅に減少したことが明らかになっている。

ホルムズ海峡でコンテナ船の拿捕作戦に参加するイラン革命防衛隊の兵士とされる(提供:IRIB/ロイター/アフロ)

世界の原油供給、10日分を喪失

 世界的なエネルギー商社「ヴィトール・グループ」は21日「世界の原油市場から約10億バレルの原油供給が失われた」との見方を示した。10億バレルは10日分の世界の原油供給量に匹敵する。

 供給が減れば世界の原油在庫の水準も低下する。

 米金融大手シティ・グループは20日「たとえ今週紛争が終結したとしても、世界の原油・石油製品在庫は6月末までに8年ぶりの低水準に達する」との見通しを示した。

 ホルムズ海峡の正常化に時間を要するとの見方も強まっている。

 国際海事機関(IMO)のドミンゲス事務局長は19日付の日本経済新聞に掲載されたインタビューで「ホルムズ海峡がすぐに開放されたとしても、正常化には数カ月かかる」との見通しを示した。機雷対策などに時間を要するというのが理由だ。

 ワシントン・ポストは22日「米国防総省は『ホルムズ海峡の機雷除去に約半年を要する』との評価を出した」と報じた。

 ホルムズ海峡の危険性を嫌気して、世界の保険企業が原油タンカーなどの輸送保険を引き受けないのではないかとの懸念も浮上している。