桜宮高校生40人が大阪体育大学でスポーツサイエンス実習 1泊2日、AT、スポーツ心理学、栄養学など学ぶ

 大阪府立桜宮高校が4月8、9日、大阪体育大学でスポーツサイエンス実習を実施し、人間スポーツ科学科サイエンスコースの3年生40名が参加した。

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 実習は毎年、授業の一環として大体大で実施されている。大阪体育大学スポーツ局が運営をサポートし、スポーツ科学センターのスタッフが実技指導、講義などにあたった。
 8日の開会式では、梅林薫スポーツ局長がスポーツを科学する楽しさをアピール。「私の専門種目はテニスで、試合時間が長い競技なので学生のころは『とにかく走れ』と指導されました。ただ、自分でテニスを研究し分析してみると、2時間の試合時間で実質約25分しか動いていないことが分かり、トレーニング方法を見直しました。スポーツを科学的に見るとすごく面白いので、是非それを体験してみてください」とあいさつした。

開講式。梅林薫スポーツ局長は「スポーツを科学的に見るとすごく面白いので、是非それを体験してみてください」
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 その後、生徒たちは施設を見学。高台にある駐車場から各競技場、6専用体育館が林立するキャンパスを眺め、ラグビー場、サッカー場、陸上競技場、野球場、各体育館の順に見学した。各競技専用施設の充実度では全国トップレベルである大阪体育大学の施設を見た生徒たちから歓声が上がっていた。 

キャンパスを移動
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多数のJリーガーを輩出したサッカー場。暑熱対策としてミスト散水装置も完備
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陸上競技場のスケールの大きさに驚く生徒たち。日本陸連第3種公認競技場で、大阪世界陸上では米国代表が合宿した
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6専用体育館、各競技場と学習・研究施設が一体となったキャンパス
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 昼食をはさみ大学説明の後、生徒たちは第6体育館に移動しアスレティックトレーニング(AT)の実技にチャレンジした。「コンディショニングとは?」のテーマで、スポーツ科学センターAT部門の海﨑梨織(かいざき・なお)ATディレクターが指導した。
 片足立ちで目を閉じて両手を上げ下げする動作で、30秒の間にどれだけミスなくできるかを測定。次にネガティブな言葉をかけられ続けながら同じ動作で測定した場合、どのような結果となるかなども測定した。

アスレティックトレーニング実技
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あえてネガティブな言葉をかけられながら、片足立ちで目を閉じ、両手を上げ下げする。心理的要因がどう影響するか測定
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 続いてS&C(ストレングス・アンド・コンディショニング)ルームに移動し、本格的なウエイトトレーニングに挑戦した。基本的な種目であるベンチプレス、デッドリフト、スクワットの指導を受けた。大きな負荷がかかる種目のため、正しいフォームで行うことの重要性、安全面に関する説明もあり、生徒たちは教えられたことを意識しながら取り組んでいた。

S&Cルーム。仲間のサポートも受けながら、本格的なスクワットに挑戦
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 その後、約160人が宿泊可能なOUHSセミナーハウスにチェックインし、荷物を整理した後、クラブ見学に出発した。スポーツ局の職員が引率し、各クラブの見学や練習に参加した。

陸上競技部を見学した生徒2人は練習にも参加。桜宮高校の卒業生とも話せた
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バスケットボール部男子の練習を見学する生徒たち
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約160人が宿泊可能なOUHSセミナーハウス
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 2日目は朝7時30分にラグビー場に集合し、ラジオ体操・補強運動からスタート。朝食後には「メンタルとは何か?」「心技体とは何か?」をテーマに、学生相談室スポーツカウンセリングルーム・澁谷愛佳さんの心理学の授業を受講した。グループワークでは、自分はメンタルが強いのか弱いのか、なぜそう思うのかを考えた。生徒から「自分はプレッシャーに弱いからメンタルが弱い」「監督から厳しく教えられたので、メンタルは鍛えられて強い」などと意見を交わし、メンタルをどう定義できるのか考えていた。また、心技体について、生徒から「心は人間性、技は努力、体は生活から作られる」などと活発に意見が出された。

学生相談室スポーツカウンセリングルーム・澁谷愛佳さんがスポーツ心理学を講義
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 その後、森田卓スポーツ局課長から大学スポーツの仕組み、スポーツ局の業務の説明を受けた。
 スポーツ局はクラブの統括組織として2018年に全国に先駆けて設置された部局で、学生アスリートや指導者に対し科学的知見を活用した競技力向上支援や学生アスリートとして身につけるべき学修支援、けがや事故を防ぐための環境整備など、総合的なサポートを担っている。
 森田課長から、高校での部活動と大学のクラブ活動の運営、環境面での違い、学業との関係性について詳しく説明を受けた。
 午後からはスポーツ科学センター栄養部門の村上知子栄養ディレクターが栄養学について講義した。基本的な栄養の知識を学び、各自の食習慣を見直すことで、不足している栄養素を見つけ出し、疲れやすかったり体調を壊しやすかったりした場合に何を摂取すれば良いかを考えた。  
 また、村上ディレクターは生徒からの質問に「運動前の食事は、胃で消化されていない状態ではエネルギーとならず、動きの負担となることもあるため、3、4時間前には終えた方がいい」「たんぱく質の摂取は肉だけでも可能だが、魚の脂質は血管に良いので、魚が苦手でも少しずつ採り入れると良い」などと回答していた。

メンタルについて意見を交わす生徒と澁谷さん
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 全プログラム終了後、梅林スポーツ局長が閉会のあいさつをし、密度の濃い2日間の実習が終了した。
 実習を終えた生徒は「ATの実技とスポーツ心理学の講義が面白く、部活動にも取り入れられると思いました。スポーツについて普段、勉強していることより深い内容の授業が聞け、質問にもしっかり答えてもらえたので、大学でスポーツを学ぶことのイメージができました」などと振り返っていた。