大阪市内を放浪し、捕獲され「シカやん」と命名されたシカ
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 大阪市内を放浪し、捕獲されたシカを保護している大阪府能勢町の温泉施設「能勢温泉」は3日、「シカやん」と命名した。奈良県の山下真知事と大阪府の吉村洋文知事がともに視察に訪れ、施設に「鹿せんべい」などを贈呈。吉村氏は「末永く皆さんから愛されるシカさんでいてほしい」と述べた。

 3月21日から大阪市内で目撃情報が相次いだシカやん。25日に同市城東区の警察施設で捕獲され、27日に飼育実績のある能勢温泉に引き取られていた。命名を巡っては大阪市の横山英幸市長がX(旧ツイッター)でアンケートを実施。吉村氏が提案した「シカやん」の人気が最も高く、そのまま命名された。

 人に慣れていることから、大阪市中心部から約30キロ離れた奈良市の奈良公園から来た可能性が指摘。奈良県の対応が注目されたが、山下氏は捕獲前の会見で「法律上、市内全域を出たシカは天然記念物ではなく野生生物」と回答。農林業や人的被害への懸念から受け入れを見送っていた。

 それでもこの日“奈良出身”が濃厚だと感じさせる場面があった。両知事がシカやんに鹿せんべいを与えると、勢いよくパクリ。その姿を見た吉村氏は「バクバク食べてます。もうこれは奈良のシカやん」とコメント。山下氏は苦笑いを浮かべていた。

 今後も同様の例が起きる可能性もあり、山下氏は「(大阪と奈良の県境にある)生駒山を越えることを想定し、大阪府との連携を考えたい」と語った。吉村氏も「また新たにシカやんの2号、3号が府内にやってくることもあるかと思う」と述べ、その場合は能勢温泉に保護を依頼する考えを明らかにした。

 すでにSNSでは、日陰でリラックスして寝転ぶシカやんの姿などが拡散され、「可愛い」と評判を集めている。今後一般公開もされる予定で、能勢温泉の新たな観光のシンボルとなりそうだ。吉村氏は「シカやんの食事代にもなると思いますので、ぜひ遊びに来ていただけたら」とアピールした。

 《主な「〇〇やん」》
 ▽カネやん NPB史上最多の400勝を挙げた金田正一投手(国鉄~巨人)の愛称。引退後はロッテの監督を務めた。

 ▽エモやん 南海、阪神で活躍した野球解説者の江本孟紀氏の愛称。

 ▽ベーヤン アリスの堀内孝雄の愛称。赤穂浪士「堀部安兵衛」と名字が似ていたことが由来。

 ▽バタヤン 70年以上現役だった歌手の田端義夫さんの愛称。

 ▽ゆりやん お笑い芸人ゆりやんレトリィバァの高校時代のニックネーム。愛着があり芸名に使用した。

 ▽パーやん 藤子不二雄作「パーマン」の主要キャラ。大阪在住。  

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