インド建築の文脈を取り入れたレイヤード照明が空間体験を形成
インド ハイデラバードに位置する「Tevar – The Progressive Indian Kitchen & Bar」は、食、音楽、パフォーマンスを融合したコンテンポラリーなダイニング空間である。本プロジェクトの照明デザインは、建築照明デザインスタジオLove of Lightが手がけ、インテリアデザインチームと密接に協働しながら、ドラマティックな空間構成に応答する光環境を構築した。本計画は、空間の温かみと親密性を維持しながら、建築的なレイヤーを際立たせる照明設計を特徴とする。


Photo credit: Vivek Eadara
インテリアは深みのある色調と曲線的なフォルム、そしてリズミカルに配置された建築要素によって構成されている。照明は均一な明るさを避け、明暗のコントラストと階層性を導入することで、素材やテクスチャ、ボリュームが段階的に現れるよう計画されている。アンビエント照明、アクセント照明、制御された輝度を組み合わせたレイヤード照明により、空間体験を導く構成となっている。空間の中心には、89個のランタン状照明器具からなる大型シャンデリアが設置されている。各器具は本プロジェクトのために設計され、数ヶ月にわたるプロトタイピングと検証を経て完成した。リサイクルアルミニウムと、敷地から100キロメートル圏内で調達された手吹きガラスを使用し、持続可能性にも配慮している。これらの集合体は、軽やかさを保ちながら、ダイニング空間を包み込む光のキャノピーを形成している。


Photo credit: Vivek Eadara


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Photo credit: Vivek Eadara
壁面にはインド建築に見られる張り出し窓の意匠「ジャロカ(jharokha)」に着想を得たモジュールが連続し、空間にリズムを与えている。これらの要素にはリニア照明が組み込まれ、表面を柔らかくなぞることで奥行きと素材感を際立たせる。照明は2700ケルビン、演色評価数(CRI)95で設定され、インテリア素材と料理の色彩を正確に表現する。照明制御システムも本計画の重要な要素である。完全統合型の調光システムにより、自然光の変化や営業シーンに応じて光量を調整する。ランチ、ディナー、ライブパフォーマンスといった異なる時間帯に応じて滑らかな光の変化を実現し、同時にエネルギー効率の向上にも寄与している。


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Photo credit: Vivek Eadara
バーエリアでは、ボトルや素材を際立たせるバックライトが採用され、カウンターやサービス面は下方からの柔らかな光で照らされている。音響天井やパフォーマンスゾーンには、グレアを抑えながら建築的な形状を強調する照明が配置されている。照明インフラは長期的な持続可能性を考慮して設計されている。カスタムプロファイルやドライバー、配線システムはモジュール化され、個別交換やメンテナンスが可能である。この設計により、廃棄物の削減と将来的な柔軟性を両立している。地域素材の活用とメンテナブルな構成により、環境配慮は計画初期から統合されている。


Photo credit: Vivek Eadara
本プロジェクトは、照明が建築と一体となりながら空間のアイデンティティを形成する事例である。カスタム照明、精緻な光制御、そしてレイヤードな光環境により、ホスピタリティ空間における体験価値を高めている。
Love of Light
建築照明デザイナー ダシャクアガルワルによって設立されたインド・ハイデラバード拠点の照明デザインスタジオ。ホスピタリティ、住宅、リテール、文化施設など幅広い分野で活動し、建築・素材・空間体験を統合する照明デザインを展開している。アンビエント、フォーカルグロー、ブリリアンスを組み合わせたレイヤード照明を特徴とする。
