不法就労の通報報奨金制度 「外国人労働者が萎縮」 市民団体、茨城県に撤回申し入れ

記者会見する田中代表(右から2人目)ら=県庁で

 茨城県が始める方針を示した、不法就労の外国人を雇う事業所の情報を住民から募って報奨金を支払う「通報報奨金制度」を巡り、東日本入国管理センター(牛久市)に収容されている外国人を支援する市民団体「牛久入管収容所問題を考える会」は25日、県外国人適正雇用推進室に対し、制度の撤回を求める申し入れ書を提出した。 (酒井健)

 申し入れ書では、最近の排外主義的な空気の広がりを踏まえ、制度が「外国人=犯罪者」というイメージをつくり「滞在資格にかかわらず、外国人労働者を見たら密告することが起きかねない」「ヘイトスピーチや外国人排斥を行う排外主義者・右翼勢力の行動を助長する」としている。日本社会は「広く外国人の労働力により成り立っている」として、制度が「通報を恐れた外国人労働者を萎縮させ、人権や労働上の権利侵害に泣き寝入りをさせる」と懸念を訴えている。

 県庁で記者会見した田中喜美子代表は、制度が「日本に住む外国人に対する差別と排外主義をあおる」と訴えた。

 会員の一人は、通報の対象を事業所に限った場合でも「結局、外国人の情報が収集される」と指摘。別の会員は「過酷な職場から逃げ出して(同センターに)収容された技能実習生もいる」として、外国人の受け入れを巡る国の制度自体が問題だとの考えを示した。

 会の活動に参加している外国にルーツを持つ女性は「関係ない人が好きに通報できるシステムを作れば、外国人も日本人を怖く感じ、働きやすい環境ではなくなる」と話した。