こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)で観測した渦巻銀河「NGC 2442」のクローズアップ。 とびうお座の方向、約5500万光年先にあります。

NGC 2442は、大きくゆがんだ非対称な2本の渦巻腕(渦状腕)を持つことで知られています。その独特な形状から、英語圏では「Meathook Galaxy(ミートフック銀河)」の愛称でも呼ばれています。

ハッブル宇宙望遠鏡が観測した渦巻銀河「NGC 2442」(Credit: NASA, ESA)【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した渦巻銀河「NGC 2442」(Credit: NASA, ESA)】

銀河は接近した別の銀河との重力を介した相互作用によって、その形が大きくゆがむことがあります。ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によれば、NGC 2442の偏った非対称な姿は、過去のある時点において別の銀河と重力相互作用を起こしたことが原因だと考えられています。どの銀河が接近したのかははっきりしていませんが、近傍の小さな銀河が候補にあげられています。

星の誕生と死が繰り返される非対称な渦巻腕

NGC 2442のあちこちに点在するピンク色や赤色をした斑点は、「HII(エイチツー)領域」と呼ばれるものです。HII領域は星形成活動によって生み出された若い高温の星々が放射する紫外線によって電離した水素ガスが赤みがかった光などを放つ領域で、電離水素領域とも呼ばれています。

ESAによれば、過去に起きた別の銀河との重力相互作用でその特異な形状が作られた頃、潮汐力によってかき乱されたNGC 2442のガス雲で重力収縮が起こったことで、近年の活発な星形成活動が引き起こされた可能性が高いと考えられています。

また、活発に星が誕生する銀河では、星の死も比較的ひんぱんに起こります。NGC 2442では1999年11月に「SN 1999ga」、2015年3月に「SN 2015F」といった超新星が検出されました。画像の作成に使用されたデータの一部は、超新星爆発のその後の様子を詳細に調査する研究の一環として、SN 1999ga検出後の2006年10月に実施された観測時に取得されています。

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の「ACS(掃天観測用高性能カメラ)」およびかつて搭載されていた「WFPC2(広視野惑星カメラ2)」で取得したデータと、欠けている部分を補うためにラ・シヤ天文台(チリ)のMPG/ESO 2.2m望遠鏡で取得したデータを使って作成し、ESA/Hubbleから2011年5月4日付で公開されていたもので、ESAのハッブル宇宙望遠鏡公式アカウントが2026年3月12日に改めて紹介しています。

関連画像・映像ラ・シヤ天文台(チリ)のMPG/ESO 2.2m望遠鏡が観測した渦巻銀河「NGC 2442」(Credit: ESO)ラ・シヤ天文台(チリ)のMPG/ESO 2.2m望遠鏡が観測した渦巻銀河「NGC 2442」(Credit: ESO)【▲ ラ・シヤ天文台(チリ)のMPG/ESO 2.2m望遠鏡が観測した渦巻銀河「NGC 2442」(Credit: ESO)】

Our #HubbleTopImage features the Meathook Galaxy!

The Meathook Galaxy (NGC 2442) has a dramatically lopsided shape – one spiral arm is tightly folded in on itself while the other extends far out from the nucleus. This is thought to be due to gravitational interactions with… pic.twitter.com/ZxDSIIoJXh

— HUBBLE (@HUBBLE_space) March 12, 2026

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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