EU、米に貿易合意順守を要求 「完全な明確化」必要とも

 米最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく米政権の関税を無効とし、トランプ大統領が世界各国に対する代替関税措置を発表したことを受け、欧州委員会は22日、米国が欧州連合(EU)との間で昨年合意した貿易協定の条件を順守するよう求めた。写真はドイツ・ハンブルク近郊で2019年11月撮影(2026年 ロイター/Fabian Bimmer)

[ブリュッセル 22日 ロイター] – 米最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく米政権の関税を無効とし、トランプ大統領が世界各国に対する代替関税措置を発表したことを受け、欧州委員会は22日、米国が欧州連合(EU)との間で昨年合意した貿易協定の条件を順守するよう求めた。

米国が今後取る方針について「完全な明確化」が必要とも述べた。

「現状は、昨年の貿易合意の条件を明記した共同声明で双方が一致した『公正で均衡の取れた相互利益のある』大西洋間貿易・投資の実現に資するものではない」とし、「合意は合意だ」と強調した。

昨年の貿易合意では、鉄鋼など分野別関税の対象品目を除き、大半のEU製品に対する関税率を15%に設定。航空機や部品など一部製品については関税をゼロとした。EUは多くの米国製品に対する関税を撤廃することに同意した。

欧州委は「EU製品は最も競争力のある待遇を引き続き受けなければならず、合意済みの明確かつ包括的な上限を超えて関税が引き上げられてはならない」とし、予測不可能な関税は混乱を招き、世界全体の信頼を損なうと述べた。

シェフチョビッチ欧州委員(貿易担当)が21日、米通商代表部(USTR)のグリア代表およびラトニック商務長官とこの問題について協議したことも明らかにした。

こうした中、欧州議会のランゲ議員は22日、今週予定されていたEU米貿易協定に関する採決を延期することを提案した。合意が結ばれた条件や法的根拠が変化したため、明確化が必要としている。

欧州議会は先月、トランプ氏が米国のグリーンランド領有に反対する欧州諸国に関税を課すと警告したことに抗議し、対米貿易協定に関する作業を中断したが、その後2月下旬に採決を行うと決定していた。

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