中国の人工知能(AI)企業「博楽信息」を訪れ、協力策を協議する北朝鮮教育省代表団=同社提供(c)news1

中国の人工知能(AI)企業「博楽信息」を訪れ、協力策を協議する北朝鮮教育省代表団=同社提供(c)news1

【02月11日 KOREA WAVE】北朝鮮教育省代表団が最近、中国広東省深圳を訪れ、人工知能(AI)や拡張現実(XR)技術を手がける中国企業と協力策を協議していたことが分かった。単なる技術視察にとどまらず、製品の現地化や共同開発、学術交流まで幅広い協力の可能性が取り沙汰され、北朝鮮と中国のデジタル技術分野での連携に関心が集まっている。

中国のAI企業「博楽(BLAZ)信息」が5日に公表した資料によると、北朝鮮の代表団は1月27~28日の2日間、同社のイノベーション製品展示センターを訪問し、AI・XR分野の技術力や応用事例を集中的に視察した。代表団は拡張現実(AR)の大型スクリーンを使ったインタラクション空間で、手の動きによって仮想と現実が融合する教育コンテンツを体験したほか、複合現実(MR)の展示ではXR機器を装着し、「デジタル無形文化遺産」や未来のオフィス空間など、さまざまなシナリオを体感したという。

懇談の場では、三つの中核的な協力方向を軸に実務協議を進め、初期的な共通認識を形成したとされる。まず、同社の標準化されたAI・XR製品を北朝鮮の環境に適用するため、インターフェースや音声、教育コンテンツを朝鮮語に最適化する案が検討された。

さらに、北朝鮮の歴史や芸術、観光資源を反映したデジタルコンテンツを、XRやAI生成コンテンツ(AIGC)技術で共同制作し、「民族的特色」と「技術性」を融合させるプロジェクトについても意見が交わされた。加えて、AIとXR分野での学術協力や交流体制を構築し、理論研究と応用技術の拡張を同時に進める構想も話題に上ったという。

博楽は、北朝鮮教育省が自社技術を高く評価したとしたうえで、今回の訪問を契機に、デジタルコンテンツや教育技術分野で持続可能な協力関係を築くことに期待を示した。北朝鮮側も今回の接触を新たな協力の出発点と位置づける意向を示したと伝えられる。

こうした動きは、北朝鮮がAI技術力の向上を目的に中国側の支援を受けている可能性を示唆する。北朝鮮とロシアの接近以降、中朝関係は以前ほど緊密ではないとの見方が多いが、依然として重要分野では協力が続いていることを裏付ける事例ともいえる。

博楽は華為技術(ファーウェイ)や人民日報、中国電信など、中国の主要な技術・メディア・通信機関と協力してきた企業とされる。これらの機関が中国政府の政策と密接な関係を持つ点を踏まえると、今回の接触は単なる企業間交流を超え、北中間のデジタル協力拡大を示す兆候だとの見方も出ている。

一方、北朝鮮の公式メディアは、今回の件について報じていない。

北朝鮮は近年、AI活用の拡大に積極的な姿勢を見せている。2025年にはAI研究人材をロシアに派遣したとされ、軍の無人システムへのAI導入も進めているとの分析がある。また、北朝鮮と関係するハッキング組織がAIツールを使ってサイバー作戦を高度化しているとの指摘もあり、AIが北朝鮮の「非対称戦力」を強化する中核技術として浮上している。

教育分野での協力は、対北朝鮮制裁違反に対するハードルが比較的低い点から、技術移転の迂回ルートとして活用される可能性もある。特にデジタル教育インフラの交流は、中長期的に産業や軍事分野でのAI人材育成拡大につながる恐れがあり、今後の協力動向が注目される。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News