1/31(日本時間2/1)、最も注目の興行はRINGⅥ。テオフィモ・ロペスvsシャクール・スティーブンソンをメインに据え、アンダーカードにはキーショーン・デービスvsジャーメイン・オルティス、ブルース・カリントンvsカルロス・カストロ、カルロス・アダメスvsオースティン・ウィリアムスといった注目カードが並ぶ興行です。

↓テオフィモvsシャクールのプレビュー

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そしてこの日には、まだまだ注目の興行があります。

それは、イギリス、ニューカッスルで行われるマッチルーム興行で、恐怖のバフラム・ムルタザリエフのリング復帰戦がメインイベント。

旋律のティム・チュー戦からはや1年と4ヶ月、いよいよリングに返ってくる怪物王者。

ということで今回のブログは、ムラタザリエフvsケリーのIBF世界スーパーウェルター級タイトルマッチのプレビュー記事。

 

 

1/31(日本時間2/1) イギリス・ニューカッスル
IBF世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
バフラム・ムルタザリエフ(ロシア)23勝(17KO)無敗
vs
ジョシュ・ケリー(イギリス)17勝(9KO)1敗1分

あの日の衝撃は忘れられません。 2024年10月、アメリカのリングでティム・チューを粉砕したあの一戦です。

当時、セバスチャン・フンドラに初黒星を喫したものの、それはアクシデントの大量出血があったればこそ、の意見もあったティム・チュー。

対するムルタザリエフは、ジャック・クルカイとの激闘を制し、強さを見せていたものの、やはり世間によく知られていたティム・チューというスター候補を推す声が多かったですし、私もそう思っていました。

しかし、そのチュー有利と見られていた予想を、ムルタザリエフはわずか数ラウンドで覆しました。それも、ただのラッキーパンチではありません。強固なブロック、正確無比なカウンター、そして相手の心をへし折るような冷徹な連打。

チューから何度もダウンを奪い、タオル投入によるTKO勝利を飾ったあの姿は、まさに「ロシアン・スタイル」の究極系でした。

あれから1年4ヶ月。

 

 

 

果たして、浮かんでは消えていったムルタザリエフの試合は、ティム・チュー戦で見せたその強さゆえのものなのか、と勘繰りたくなるようなレイオフ期間でした。

このムルタザリエフの出身は、グロズヌイ(Грозный)、ロシア後で「恐怖」とか「恐ろしい」という意味だそうです。ロシア連邦南西部、北カフカス地方にあるチェチェン共和国の首都だそうですが、そんな意味の単語を都市名につけるということがすでに恐ろしいですね。

この1年4ヶ月という期間は、このムルタザリエフにとって錆びつく期間となったのか、はたまた休養の期間となったのか。

おそらく、これは後者であり、この戦闘民族が多く住む(というイメージの)場所のボクサーたちは、生半可な事で気を抜いたりしないのです。

アゼルバイジャンと国境を有し、カスピ海を挟んでカザフスタンやトルクメニスタン、ウズベキスタンと近似関係にあるこのチェチェンは、間違いなく戦士を生む土壌です。

そんな恐怖のムルタザリエフに挑むのは、英国のスター候補、ジョシュ・ケリーです。

アマチュア時代からその才能を高く評価され、リオ五輪にも出場したエリートです。

彼のボクシングは、一言で言えば「華麗」。 ガードを下げ、上体の動きとフットワークだけで相手のパンチを外し、死角から鋭いパンチを打ち込むスタイルは、ハマればとてつもなく美しい。まさに「プリティボーイ」の異名にふさわしい戦いぶりです。

 

 

 

かつてデビッド・アバネシアンにストップ負けを喫し、プロの厳しさを味わいました。フィジカルの強さ、耐久力、そして後半のスタミナに課題があると指摘され続けてきたのも事実です。 しかし、そこから彼は堅実にキャリアを再構築しました。トロイ・ウィリアムソンを破ってブリティッシュ王座を獲得するなど、以前よりも勝負強さを増しているように見えます。

地元ニューカッスルの大歓声を背に、彼が自身のキャリア最大最強の敵に挑みます。

この試合の構図は極めて明確です。 「破壊力と圧力」のムルタザリエフか、「スピードと反射神経」のケリーか。

序盤、ケリーはそのスピードを活かしてリングを大きく使い、ムルタザリエフの強打を空転させにかかるでしょう。ケリーのハンドスピードとアングルは、ムルタザリエフにとっても脅威となるはずです。もしケリーが序盤にペースを握り、ムルタザリエフをイラつかせることができれば、番狂わせの芽が出てきます。

しかし、ムルタザリエフのプレッシャーは、ラウンドを重ねるごとに重くのしかかるはずです。 彼は単に前に出るだけでなく、相手の逃げ道を塞ぐフットワークと、打ち終わりに合わせるカウンターの技術が抜群に高い。 ケリーが少しでも足を止め、ロープを背負うような場面があれば、そこからは悪夢の時間。あのアバネシアン戦で見せたような脆さが顔を出すのか、それともそれを克服した姿を見せるのか。

ケリーにとっては、12ラウンド常に集中力を切らさず、綱渡りをし続けるような完璧なボクシングが求められます。一方のムルタザリエフは、一瞬の隙を見逃さず、ただ一度のチャンスで試合を終わらせる力を持っています。

 

 

 

個人的には、ケリーが12ラウンドにわたり、ムルタザリエフをボックスアウトできるか、というと難しいとは思います。

しかし、アバネシアン戦以降、上り調子のケリーが、過去最高に仕上げてくる事は疑いようがなく、これまで見たこともないような完成度の「ジョシュ・ケリー」を見せてくれる可能性もゼロではありません。

モンスターの帰還か、それともプリティボーイの初戴冠か。

ジャロン・エニスとバージル・オルティスの試合が取りざたされ、盛り上がるスーパーウェルター級戦線ですが、このムルタザリエフの存在を忘れてはいけません。

個人的には、エニスの対抗馬としてムルタザリエフの名前が上がってくると、この階級はより面白くなると思います。

とにかく、刮目してみましょう。

 

 

 

アンダーカードと配信情報

アンダーカードには、IBF世界女子ライト級タイトル戦がco-mainとして載っています。

その他には、急遽代役でシャクール挑戦をした経験を持つジョシュ・パドレイ(イギリス)が出場、ジャウアド・ベルメディ(フランス)との一戦に臨みます。

配信はDAZNで、配信開始は日本時間で2/1(日)AM2:00頃。おそらくメインはAM7:00くらいのはずです。

この一戦も非常に楽しみですね。これが終わって、テオフィモvsシャクールの興行が始まるくらいの時間になると思われます。

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