沖縄が結び、沖縄から広がったDXのリアルな熱量

【写真】リアルとオンラインを合わせた来場者数は21,055人と過去最多となった沖縄サントリーアリーナで行われた 「ResorTech EXPO 2025 in Okinawa」 の会場の様子など

本イベントは、展示商談会にとどまらず、セミナーやシンポジウムを通じて産業とテクノロジーの接点を可視化する場としても定着している。台湾、香港、韓国、ベトナムなど海外からも34社・団体の参加もあり、沖縄という地理的・文化的特性が、アジアと日本をつなぐハブとして機能していることを印象づけた。

基調講演では、脳科学者の 茂木健一郎氏が登壇し、「脳科学者が語る、AIとのこれから」 をテーマに1時間の講演を行った。資料を用いず、平易な言葉で語られたAIの現在地と未来像は、専門外の来場者にも強く届く内容だった。AIを使わないことのリスクに触れつつ、「生きがいを奪うAI開発はすべきではない」 と語った一言が印象に残る。

2日目には地方創生DXをテーマとしたシンポジウムが行われ、沖縄を起点に、自治体や企業が連携する共創の可能性が多角的に議論された。沖縄という地域性が、DXの実証と実装の場として確かな手応えを持ち始めていることを感じさせるセッションとなった。

一方、今年の象徴的な展示となったのが、ResorTech EXPO AWARD 2025 海外部門グランプリを受賞した韓国の先端スピンオフ企業 AeiRobot によるヒューマノイドロボット
「ALICE(Artificial Learning Intelligent robot for Collaboration and Evolution)」 である。日本初上陸となったALICEは、来場者とダイスを使ったインタラクションを行うなど、AIと人間の距離感を直感的に伝える存在として注目を集めた。

ステージでは、同社CEOが水を注ぐパフォーマンスを披露し、将来的に造船や建築現場での活用構想を紹介した。単なるデモンストレーションに終わらず、産業実装を見据えた語り口が、来場者の関心を強く引き寄せていた。

また台湾のテック企業を集めた 「TAIWAN Tech Pavilion」 では、駐車場データや交通のオープンデータとAIを組み合わせたスマートシティソリューションなど、デジタルとデザインを横断する提案が並び、多くの来場者の足を止めていた。

また、サブアリーナでは学生向け企画 「IT未来フェスタ」 を併催。HADO体験やe-sportsバーチャルサイクリングなどを通じて、IT産業を体感的に知る場が用意され、若い世代の熱気が会場に新たなリズムを生んでいた。

さらに展示フロアには、企業間帳票管理を紹介した 株式会社インフォマート、共創をテーマに掲げた SCSK株式会社、地域創生ソリューションを展開する 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 などが並び、技術が具体的な事業や地域課題とどう結びつくのかを示していた。DXを 「導入する技術」 ではなく、「使いこなす文化」 として捉える視点が、会場全体に共有されていたように思える。

ResorTech EXPO 2025 in Okinawaは、技術の最前線を見せるだけでなく、人と地域、そしてアジアをつなぐ交差点としての役割をより明確にした。沖縄から発信されるDXの物語は、次の一年へと確実につながっている。

ResorTech EXPO 2025 in Okinawa
会期:リアル会場 2025年11月13日(木)・14日(金)
   オンライン会場 2025年10月1日(水)~11月30日(日)
会場:沖縄サントリーアリーナ (沖縄県沖縄市山内)
来場者数:21,055名 (リアル会場15,331名、オンライン5,724名)
出展企業・団体数:284社・団体

公式サイト
https://resortech.okinawa/