ウクライナ軍のドローン部隊と、その部隊が攻撃する目標の数は増え続けている。ウクライナ軍のドローン部隊と、その部隊が攻撃する目標の数は増え続けている。ALINA SMUTKO/REUTERSウクライナ軍の総司令官であるオレクサンドル・シルスキーは、戦争開始以来初めて、ウクライナのドローンによる攻撃で死傷したロシア兵の数が、新しい兵士を前線に投入する速度に追いついたと述べた。シルスキーによると、2025年12月にこのような状況が起きたのは戦争が始まって以来、初めてだという。彼はウクライナのドローン活動は大幅に増えており、今後もさらに強化していくと話している。

ウクライナ軍の総司令官は、ロシアとの戦争開始以来初めて、ウクライナのドローンがロシアの兵士を無力化するスピードが、ロシアが新しい兵士を前線に投入するスピードに追いついたと述べた。

ドローンはこの戦争で最も大きな脅威であり、多くの犠牲を出す要因となっている。ウクライナは、人手不足や装備不足を補う手段として、特に安価な一人称視点(FPV)ドローンに大きく依存している。

ロシアの中型ドローンが「空母」のように小型ドローンを戦線へと運んでいる | Business Insider Japan

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ウクライナ軍総司令官、オレクサンドル・シルスキー(Oleksandr Syrskyi)は、2026年1月7日にメッセージングアプリのテレグラム(Telegram)に投稿し、2025年12月がウクライナの無人システム部隊がロシアが投入した兵士とほぼ同数を「無力化」した初めての月になったと述べた。

シルスキーは、2025年12月のロシアの死傷者が約3万3000人であることが映像で確認されたと述べ、「占領軍の実際の死傷者はこれよりも多い」とも語った。

シルスキーは、動員されたロシアの兵士の人数について具体的な数字は示さなかった。Business Insiderは、彼の発言を独自に確認することはできていない。

ロシアは公式な死傷者数を公表していない。アメリカ政府や軍・情報機関の分析によると、毎月ウクライナに送られる新たなロシア兵の数は、2025年4月時点で約3万人とされていた。しかし同年5月、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、その倍だと述べている。ウクライナ側の情報機関が2025年12月に行った分析では、ロシアは2025年の動員目標である40万3000人を達成しており、月平均で3万6000人以上を派兵している。

ロシアはこの戦争のため、兵士を徴兵すると同時に志願での募集も行っている。ロシアはこの戦争のため、兵士を徴兵すると同時に志願兵の募集も行っている。Russian Defense Ministry Press Service via AP

ウクライナに派遣されているロシアの軍隊は、さまざまな構成員で成り立っている。まず、戦闘に志願する契約兵だ。ロシアは入隊ボーナスや契約金などの特典を用意して志願者を募っている。次に、徴兵制度によって動員される兵士やその他の人員だ。さらに、ロシアは過去に刑務所にいる受刑者に対して兵士としての志願を呼びかけ、戦争に加わらせたこともある。

正確な死傷者数は不明だが、ウクライナや西側諸国の情報機関によると、戦闘でロシアは大きな被害を受けているという。ロシアはウクライナよりもはるかに多くの人口を抱えており、ウクライナもこの戦争で大きな損失を被ったとされている。なお一部の推計では、ロシアは1日あたり約1000人の兵士を失っているとされている。

ロシアは兵士を動員できる人口が多い一方、繰り返し大規模な強制動員を行うことは避けようとしている。

ロシアのプーチン大統領は、国民の反発や批判を避けるため、徴兵された兵士を戦場の前線に送らないと公に約束した。しかし、報道や捕虜になった徴兵された兵士の証言では、この約束は実際には守られておらず、誤解を招く内容だったことがわかっている。そのため、ロシアは徴兵を思うように行えない状況にある。

ウクライナのドローン戦力の拡大

シルスキー最高司令官は、2025年をウクライナのドローン戦での大きな突破の年と位置づけており、2026年も戦力の強化をさらに進める計画があり、停まることはないと述べている。

彼は2025年12月にドローンによって攻撃された敵の兵士や装備などの数が31%増加し、ロシア兵に被害を与えた人数も25%以上増えたと述べた。

ウクライナは自国製のドローンの生産をますます増やしている。ウクライナは自国製のドローンの生産をますます増やしている。AP Photo/Evgeniy Maloletka

2025年11月にシルスキー総司令官は、「ドローンなどの無人システムが攻撃した敵の兵士や装備は全体の約60%を占めている」と述べた。この割合は一部の前線地域ではさらに高くなることもあるという。

ドローンは、爆発物を搭載したり、手榴弾のような武器を投下したりして、兵士や装備を直接攻撃する。また、情報収集も行い、部隊をどのように展開するかを決めるうえで重要な役割を果たしている。 安価なドローンであっても、戦車のような数百万ドル(約3〜4億7000万円)もする高度な装備を破壊することもあり、大きな影響力を持っている。

ロシアとウクライナは、より多くのドローンや高度なドローンを運用し、ドローンに対抗する技術も開発するため、ドローン開発競争を繰り広げている。

シルスキーは、ロシアもドローンに関して野心的な計画を持っていると警告した。彼によると、ロシアはウクライナの真似をして、無人システム専用の部隊を軍内に設けており、現在8万人の兵士が所属している。さらにロシアは、2026年に兵士数を16万5500人に拡大し、2030年までに約21万人にする計画であると述べている。

ウクライナの前線上空には非常に多くのドローンが飛んでおり、以前ウクライナの兵士たちは、どのドローンがどちらの陣営のものか判別できないこともあり、安全を期すためにすべて撃ち落とそうとすることもあったとBusiness Insiderに語っている。

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