大町町を拠点に地域防災や被災地支援に取り組むPublic Gate合同会社代表の公門寛稀(くもんひろき)さん。ローカリストとして活動する中で、「大町町を知らない人にこの地域を知ってもらうことの大切さ」に改めて気づいたと言います。
今回は、お試し地域づくり活動として「知らない町を知る〜大町町体験イベント〜」を実施しました。その様子をレポートします。

11月9日(日)朝、心配されていた雨も上がり、大町町スポーツセンター駐車場に集合。カヤック体験のお世話をしてくださる「六角川、川の学校」のみなさんのほか、大学生や中学生、家族連れのネクストローカリストが参加し、自己紹介をしました。

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月の引力を感じる!?カヤック体験

まずは歩いてすぐの六角川河川敷に上り、ライフジャケットを着用。「六角川、川の学校」の教頭・川田さんより、カヤックに乗るためのレクチャーを受けます。

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初心者が多いため、パドルの持ち方や基本姿勢、漕ぎ方の説明をしっかり聞いた後、岸へ向かいます。
カヤックやパドルをみんなで運んだらいよいよ乗船。恐る恐る片足ずつ乗り込みます。公門さんもサポートしてくれました。

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最大6mの干満差がある有明海とつながっているこの六角川では、その干満差を利用し、下流から上流へ遡るカヤック体験を、月2回ほどある大潮の時期限定で楽しめます。こんな特徴的な川は全国でも希少なのだそうです。

月の引力が働いて、満潮時は上流へと流れを押し上げるので、それほど漕がなくても楽に進みます。
「逆流を感じて楽しんでくださいね」と川田さん。

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川上りをしていると、のどかな風景が移り変わり、蛇行していく川の様子がよくわかります。時折、鳥の声にも包まれます。陸上の喧騒から離れ、川をこれほど身近に感じる体験は他ではなかなかできません。

それぞれスムーズにパドルを使い、上流へと向かっていました。川の中のゴミを拾って集めていくネクストローカリストも。自然に分解されない空ボトルがたくさんありました。

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「大町たろめん」と竹筒の飯ごうの炊きたてご飯

六角川を約1.5km遡上し、玉江排水樋管のそばの岸へ上がると、ちょうどお昼時でお腹も空いた頃。野外での素敵な昼食を用意してくださっていました。

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いただいたのは、大町町のソウルフードと呼ばれる「大町たろめん」。牛骨ベースのスープに生姜をきかせ、キャベツ、にんじん、玉ねぎ、キクラゲ、海老を具材にした、細うどんの麺料理です。

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「大町たろめん」を届けてくれた三村さんと中嶋さんは、大町町に移住し「大町たろめん」を後世に繋ぐ地域おこし協力隊として、イベント出店や広報活動などを行っています。この日は大町たろめんを提供するお店のうち「さんゆうし」さんが朝からつくってくださったとのこと。
「大町たろめんは一度途絶えたんですが、復活して今年は15周年です。ぜひこの料理を継承している3店舗に足を運んでくださいね」と紹介していました。

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もともとは炭鉱マンが労働の後に食べていたと言われる通り、その名残を感じさせる濃いめの味付け。カヤックで一汗かいた後にもぴったりの塩加減でした。乾燥した唐辛子をふりかけると、ピリリと強い辛みでさらに味が引き立ちます。
「初たろめんです。うまい!」という絶賛の声も。

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竹筒の飯ごうで炊いたご飯もいただきました。「オープン!」の掛け声で、飯ごうの蓋を開ける瞬間を盛り上げる公門さん。「大町たろめんにそのまま入れるのもおすすめ」と教えてくれました。大町町の米農家の古賀さんから提供されたお米はふっくらとして、おこげの香ばしさも感じます。

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炭鉱時代の歴史に触れる

食事中、「六角川、川の学校」の校長・下田代さんが六角川の歴史について語ってくださいました。
「この六角川には杵島炭鉱の積み出し港があって有明海までの水運が行われていたんです。船で河口まで石炭を運んだら、燃料をあまり使わずに戻ることができ、特有の潮流が役立っていたはず」
六角川流域に生まれ育ち、その歴史や環境に精通した下田代さん。熱意とともに地域への愛情が伝わりました。

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食事の後は再びカヤックに乗ってスタート地点まで戻ります。今度は下流へと向かう「川下り」です。「行きは逆流で川底の土砂を巻き上げながら濁っていた川の水も、帰りには引き始めて薄くなっているはずです」と川田さん。

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上が往路、下が復路。2時間の差でも変化が感じられます。

カヤックの準備から、六角川の特徴や大町町の歴史についてのお話、食事のご用意まで、多くのサポートあっての充実した体験でした。

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ボタ山わんぱく公園と大町町内の旧長崎街道を歩く

車でボタ山わんぱく公園まで移動。先ほどカヤックで下ったばかりの六角川も眼下に見えます。
2019年と2021年にこの六角川流域を中心に豪雨災害に見舞われた大町町。

公門さんは「六角川は人々にとって身近な川。災害と川を単純に結びつけるのではなく、もっと川の特性を知って日常的に関わることが防災につながります」と町をバックに説明。
また、炭鉱で出た石炭くずを積み上げてできたのがこのボタ山だと説明を受けると、多くのネクストローカリストから驚きの声があがりました。

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ボタ山わんぱく公園では、毎年「元旦ウォーク」という町民たちが山頂まで歩くイベントが行われるものの、それ以外ではあまり活用されていないそうです。
人工草スキー場や広いグラウンドなどもある公園で、「何かできないか?」という公門さんからの問いかけに、活用のアイディアをみんなで探り始めます。

次に、旧長崎街道沿いを歩きます。
「水害の際はこの辺りまで水が来ました」と以前の活動拠点だった建物で説明していました。

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福母八幡宮に到着。「大町村と福母村が合併して大町町になったことで同じ町に八幡宮が2つあるんです」と公門さん。福母八幡宮の宮司・佐藤さんは、お手水の使い方やお参りの仕方を教えてくださいました。

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境内には竹あかりが点在。これは公門さんが竹林整備の一環で手がけたものの一部だそうです。
災害発生時に土砂崩れなどが懸念される竹林。大町町の竹の活用の取り組みにも触れることができました。

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カフェで振り返りとこれからの計画を共有

最後に行き着いたのはカフェ「Hollows General(ハローズ・ジェネラル)」。親しみやすく洗練された店内で、それぞれ注文したドリンクを飲みながら、この日を振り返ります。

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ネクストローカリストからは、
「カヤックに初めて乗って楽しかった。若者も楽しめると思った」
「いろんなところを案内してもらい、実際に自分の目で見られたので勉強になった。魅力があっても現地に行かなくちゃ分からないことには考えさせられた」
「とても楽しかった。下田代校長から川のガタで瓦をつくっていたと聞いて、もっと自然のものを活用していければと思った」
「ボタ山からの景色が素晴らしかった。大町町に住んでいる人が恩恵を受けられるイベントを開いても面白いかも」
「佐賀を東西に分けた場合それぞれ特色がある中、大町は真ん中くらいの位置。佐賀全体が盛り上がるきっかけの地にもなれるのでは」
「カヤックは座りっぱなしなので、みんなで集まっての小さなイベントが途中にあると楽しめそう」
などのコメントが発表されました。

「来年の1月に、ボタ山わんぱく公園でナイトイベントをやりませんか?」
公門さんが提案すると、さっそく次のイベントの話し合いが始まりました。

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積極的に意見を出す大学生のネクストローカリスト。
「ファミリー層に絞るのはどうでしょう?」
「食べ物のブースに人が集まりそう。道の駅みたいな”山の駅”は?」

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さまざまな意見が出た後、ボタ山わんぱく公園の雰囲気をシンプルに楽しんでもらうため、まずは「焚き火」をテーマに決定。日程を2026年1月17日(土)、会場をボタ山わんぱく公園と決めて、締めくくりとなりました。

次回の地域づくり活動へと突き進む

一つの活動が終わって、記憶も新しいうちにその場で次の企画が動きだしました。

公門さんは「こうしたイベントがきっかけで、大町町に関心を持ってくれて、子ども向け、ファミリー層向けの企画にも広がっていくといいと思います。協力できる方はよろしくお願いします!」と呼びかけます。

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「地域の方々を巻き込んで、地域外のみなさんの意見をもらいながら、新たな視点と昔ながらのよさを融合させていければと思っています」
と語る公門さん。新しい風を積極的に取り入れ、「やりたいこと」のアイディアを磨いて広げていく、そんな地域づくりの高まりを感じます。

今回の「お試し地域づくり活動」では、大町町を知るというステップ1を踏み出しました。大町町でみんなが実現させたいことへ突き進むこれからの活動にも期待が膨らみます。

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<イベント案内>

今回の記事にも登場したネクストローカリストを中心に、ボタ山わんぱく公園を活用したイベントを企画しています!ぜひお気軽にお申し込みください。

イベント名
おとたき ~バームクーヘン作りと焚火イベント~

日程
1月17日(土)14:00〜18:00

会場
ボタ山わんぱく公園(佐賀県杵島郡大町町大町4656-1)

参加費
500円/人

定員
48人(先着順)

持ち物
防寒着(ナイロン素材など燃えやすいものはお控えください)、動きやすい靴

申込フォーム
こちら

お問合せ
tel:0952-77-0251  
mail:h-kumon@publicgatellc.com

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