イタリアのプーリア州は、ローマやフィレンツェの混雑を避けたい富裕層の旅行者を引きつけている。Aerial_Views/Getty Images裕福な旅行者たちは、観光客であふれかえった高級観光地を避けるようになっている。ラグジュアリー旅行プランナーによると、彼の顧客はかつての特別な場所でさえ混雑を感じるようになったという。超富裕層は現在、イタリア、ギリシャ、日本などで、より静かで混雑の少ない代替地を求めている。
超富裕層でさえ、人が多すぎる観光地に不満を募らせている。
国際的な観光の拡大に伴い、かつて富裕層向けの特別な場所と見なされていた高級観光地も、今では大勢の観光客であふれ、長蛇の列や絶え間ない騒音に悩まされるようになっている。

観光客が多過ぎて… オーバーツーリズムに悩まされている世界の人気観光地 15 | Business Insider Japan
セレブや資産家の顧客を持つラグジュアリー旅行プランナー、ロブ・デリボヴィ(Rob DelliBovi)がBusiness Insiderに語ったところによると、多くの顧客はかつての特別な場所でさえ混雑を感じるようになったという。顧客の間では、「どこも混みすぎていて、自分たちだけの空間が必要だ」と感じる傾向が強まっている。
その結果、裕福な旅行者は、一般には見過ごされがちな場所や、まだ低予算志向の旅行者を大量に受け入れるだけのインフラが整っていない地域を選ぶようになっている。
「彼らは『いいところ取り』を望んでいる。定番の観光スポットを最も混雑する時期に訪れたい一方で、静けさや自分たちだけの体験も楽しみたいと考えているのだ」と、デリボヴィは語る。
彼の顧客たちは、イタリアや日本のような、憧れの観光地ではあるが混雑が激しい場所への旅行そのものをやめるのではなく、そうしたオーバーツーリズムに直面する国々において、最も人気の高い定番スポットを避け、より静かな都市へと向かうようになっているという。
「こうした『第二の観光地』では、富裕層やトレンドを牽引する人々、著名人を受け入れるためのインフラ整備が進められている」
以下に、混雑を避けるためにラグジュアリー層の旅行者が訪れている「第二の観光地」を3つ紹介する。
イタリア南東部、プーリア州
プーリアの街並みRoberto Silvino/NurPhoto via Getty Images
オーバーツーリズムの影響という点で、イタリアは世界でも特に深刻な状況にある。ヴェネツィア、ローマ、フィレンツェでは観光客数が過去最多を記録し、地元住民による抗議も相次いでいる。
「今のイタリアは、混雑で悲惨な状況だ」とデリボヴィは語る。「それでもイタリアに行き、イタリアらしい食事を楽しみたい」と考える超富裕層は、ローマやフィレンツェを避け、代わりにプーリア州へ向かっているという。
イタリア南東部に位置するプーリア州は、白壁の町並みや透き通った地中海、田園地帯の邸宅で知られており、プライベートヴィラでの落ち着いた滞在を望む富裕層にとって魅力的な目的地となっている。
プーリア州も観光ブームを迎えつつあるが、イタリアの有名観光地と比べれば、まだ混み合ってはいない。
ギリシャ、パロス島
パロス島のビーチSteve Christo/Corbis via Getty Images
ギリシャでもオーバーツーリズムに伴う問題や抗議活動が起きており、ミコノス島やサントリーニ島といった人気の観光地は、夏になると観光客やクルーズ船であふれ返ることが少なくない。
デリボヴィの顧客の多くは、こうした島々を完全に避けるようになっており、代わりに「パロス島へ向かっている」という。
エーゲ海に浮かぶパロス島は、ビーチや絵のように美しい村、ナイトライフを楽しめる一方で、過度な混雑がない点が、富裕層にとって魅力的な代替地となっている。
「どのレストランも1万人であふれているわけではないし、どのビーチクラブにも5000人が押し寄せているわけではない」とデリボヴィは述べている。
パロス島の観光客数はこの10年で着実に増加しており、特に富裕層の旅行者が増えているが、より有名な近隣の島々と比べれば、開発の度合いも低く、混乱もまだ限定的だ。
日本、金沢市
日本庭園Eric Lafforgue/Art In All Of Us/Corbis via Getty Images
観光地として特に注目されている日本も、オーバーツーリズムの問題を抱えている。特に東京や京都では、地元住民が「持続可能な観光ではない」と抗議の声を上げてきた。
デリボヴィによると、こうした状況を受け、顧客からは代替案を求める声が増えているという。
「京都には行きたい。でも、日本の中で同じように洗練されていて、高級感があり、必要なインフラも整っている一方で、人の群れに押し流されるような場所ではない都市はないのか、と聞かれることが多い」
そうした選択肢として注目されているのが、日本海沿岸に位置する金沢だ。金沢は、京都で味わえるような文化的体験を、プライバシーを保ちながら楽しみたい富裕層の旅行者にとって、魅力的な目的地となりつつある。この都市は「小京都」とも呼ばれ、美術や食文化、歴史地区、自然に恵まれていることで知られる。
日本政府が、主要観光地以外の地域への訪問を促してきたこともあり、金沢のような地方都市への観光客は増加傾向にある。

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