
祇園の弥栄会館を改修した「帝国ホテル京都」=京都市東山区
京都・祇園にある国登録有形文化財の劇場「弥栄(やさか)会館」(京都市東山区)を改修した「帝国ホテル京都」が、令和8年3月5日に開業する。南面や西面の外壁を保存・活用しながら増改築し、55室を構える宿泊施設に変貌した。同ホテルにとっては「帝国ホテル大阪(大阪市北区)」以来の約30年ぶり4カ所目となり、京都は初進出となる。
同ホテルは地上7階、地下2階建て。弥栄会館の建築意匠を受け継ぎながら、祇園の歴史的景観と調和するホテルを目指した。
弥栄会館は昭和11(1936)年、芸妓組合やお茶屋組合の寄付によって建設された。春の風物詩に数えられる「都をどり」が披露される祇園甲部歌舞練場の隣に位置し、演劇や人形浄瑠璃を上演。戦後は映画館やダンスホール、コンサートなどにも利用されてきた。しかし、施設の老朽化や耐震性不足が浮上したことから、地元関係者らの間でさまざまな活用法が議論されてきた。
帝国ホテルが建物を保存・復元させながら歌舞練場を含めた再開発を提案し、令和3年から総工費約124億円をかけて整備を続けてきた。外壁のタイル約10万枚をいったんはがし、再利用可能なタイル約1万6千枚を張り直したほか、一部客室では柱や窓枠など当時の面影を残すように配慮されている。
土地を所有する八坂女紅場(にょこうば)学園の杉浦京子理事長は「芸舞妓にとって弥栄会館は心のよりどころ。祇園の人たちに愛される存在になってほしい」と感慨深そうに語った。
同ホテルの坂田玲子総支配人は「地元の思いが詰まった建物を活用し、非常に重い責任を感じている。京都に腰をすえて50年、100年続くホテルを目指したい」と話していた。(格清政典、写真も)
