(CNN) オーストラリア・シドニーのボンダイビーチで14日、ユダヤ教の祭りが狙われたテロ事件が発生した。各国の警察は祭りの警備を強化するなど警戒を強めている。
この事件では、少なくとも15人が死亡、40人が入院。警察は、ユダヤ教徒を狙ったテロ事件と断定した。
この日は1年で最も夜が長い冬至に向け、8夜にわたって行われるユダヤ教の光の祭り「ハヌカ」の最初の晩だった。現場には数百人が集まっていた。
米国のトランプ大統領は、この事件を「恐ろしい攻撃」と呼んだ。
米ニューヨーク州や首都ワシントン、ニュージャージー州の当局は、ハヌカ祭りやシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)に追加のリソースを配備したことを明らかにした。
ロンドン警視庁は、警官の数やパトロールの回数を増やし、ユダヤ人との連携を強化すると発表した。ドイツ・ベルリンの警察も、警官の配備を増やして警備を強化すると述べた。
北米ユダヤ人連盟は政府に対し、ユダヤ人の安全対策を優先課題とするよう要請した。
ロサンゼルス地区のユダヤ人団体代表を務めるノア・ファーカス師は14日、CNNの電話取材に対し、こうした事件が起きるたび、「ユダヤ人は自らの宗教を祝ったり、憲法修正第1条の権利を行使したりすることが怖くなる。我々はさまざまな形のテロや襲撃におびえている」と語った。
そうした中、ロサンゼルス市内でハヌカ祭りを開いたユダヤ人団体代表のニナ・シルバー氏は、「私たちは人々の喜びと伝統、歴史を祝うことで対抗する。私たちは結集して暗闇の中の光になることができる」と力を込めた。
世界で高まる反ユダヤ感情

事件後、ブランケットにくるんだ子どもを抱きかかえる女性=14日/David Gray/AFP/Getty Images
ユダヤ系団体の名誉毀損(きそん)防止同盟が2024年にCNNに提供したデータによると、イスラエルがイスラム組織ハマスに襲撃された23年10月7日のテロ事件から1年の間に、米国内のユダヤ人に対する脅迫は3倍に増えた。
今年に入っても、コロラド州ボルダーでユダヤ人が狙われた放火事件、首都ワシントンでイスラエル大使館職員2人が殺害された事件などが発生。ペンシルベニア州では、知事がパレスチナ自治区ガザ地区の戦争に対する見解を表明したことで、ユダヤ教の過越祭初日の夜に知事の邸宅が放火された。
英マンチェスターではユダヤ教の聖なる日とされる「贖罪(しょくざい)の日」に、シナゴーグ前にいた信者らに車が突っ込み、刃物で襲われるなどして少なくとも2人が死亡、3人が重傷を負った。
ファーカス師は14日、「反ユダヤ主義はユダヤ人の問題ではない」と述べ、「これは全ての人の問題だ。反ユダヤ主義の犠牲になるのはユダヤ人だが、これは社会問題だ」と訴えた。
その上で、恐怖の中でもユダヤ人は光をともし、歌を歌い、ハヌカの喜びを祝うだろうとファーカス師は強調。ユダヤ教徒は何千年もそうしてきたと述べ、「どうか燭台に明かりをともして窓辺に置いてほしい。恐怖が打ち勝つことのないように」と呼びかけた。
