愛媛FC 写真:Getty Images

 愛媛FCは11月23日に行われた明治安田J2リーグ戦で、ロアッソ熊本に1-1と引き分け。すでにJ3降格が決まっているなか、今季ホーム最終戦における主将のGK白坂楓馬によるスピーチが話題を呼んでいる。

 インターネット動画配信サービス『DAZN』で中継された愛媛FCのセレモニーでは、白坂がホームスタジアムに駆け付けたファン・サポーター等に向かって挨拶。J3降格という結果に終わったことを受けて、「裏切る結果となった」「僕たちがJ2リーグにおいて一番戦えなかった」と悔しさをあらわにした上で、一部サポーターの行為などについてこう述べた。

 「応援されることは当たり前でないのは、 僕含め皆が自覚していますが、 ただどうかひとつ、誰かの心に届けばいいなという風に思って今から伝えたいと思います。愛媛FCというクラブは、地域に根付いた、 そしてファンサポーターと距離の近い、 そんなクラブだと思っています。 もっともっと結束すればこのクラブは力を発揮できる、 そう思います」

 「今シーズンにおいて僕たちが結果を出せなかった、 それが全てに尽きますが、 勝てず、 苦しい中で、畳みかけるかのように暴言を浴びせられ、掲示板やSNS、 匿名をいいことに誹謗中傷、DMなどで心無い言葉。愛媛FCを愛するからこそ 「このままじゃだめだ」 という想いで僕達に向けて届けてくれている言葉かもしれませんが、 時に皆さんが何気なく書き込んでいるものや掛けている言葉が選手にとっては非常に棘のあるものであり、 僕はそんな言葉が大事な仲間たちに向けられていることが許せないことがありました」

 「本当であれば、もっともっと僕達が結果を出せば、こういう状況にはなってなかったかもしれませんが、僕は、人はいい時にはいいように振る舞えるのは当たり前だと思うし、 悪い時こそ人の心というものが見えてくると思っています。 もちろん僕達自身がもっと皆さんに愛されるために頑張っていかなければいけないし、 愛媛FCのエンブレムを背負う覚悟をもって歴代の選手たちが築き上げてくれたもの、ゴール裏の皆さんが支えてきて、築き上げてきてくれたもの。 そういった色んな想いをもっともっと噛みしめて、積み重ねていかなければいけませんが、ですがどうか、 どんな時であれ、 リスペクトだけは忘れないでいて欲しいです」

 「間違いなく、 選手が頑張れる要因のひとつにファンサポーターの皆さんの存在は、 とてつもなく大きなものです。 もっと僕達は皆さんのために頑張りたい、皆さんともっともっといい景色を見たい。そう思って戦えたら選手は今以上の力を出せると思うし、そういう関係値でこういう地元に根付いたクラブだからこそ、 もっと素敵な方向に持っていけるのかなという風に感じました」

 「ただそれは僕達が願うだけではなく、 僕たち自身が示さなきゃいけないものだという風には自覚しているので、来シーズン、 誰がここに残って、 そして誰と一緒に戦うかはまだ誰一人わかりませんが、どうか来シーズン、 皆さんはここに残る方はたくさんいらっしゃると思います。 来シーズン愛媛FCで戦う選手をもう一度心が熱くなるような声援を送って欲しいと思います」

 「本当に今シーズン、 降格という形になってしまい、そしてたびたび皆さんには頭を下げ、助けて欲しいと背中を押していただきながらこのような方にはなってしまいましたが、 ワンシーズン通して苦しい中でも応援していただけたことに対しては本当に感謝をしています。 本当にありがとうございました。 そして来シーズン、 またぜひ支えていただければと思います。 よろしくお願いします」

 白坂のスピーチは、結果への真摯な反省だけでなく、チームとサポーターが互いに「クラブを支える存在」であることを改めて問い直すものだった。厳しい成績の中で、選手もサポーターもそれぞれが葛藤や不満を抱えていたことは確かだが、誹謗中傷が誰かを傷つけ、クラブの未来を曇らせるものであることもまた事実である。

 だからこそ、苦しい時にこそ互いへのリスペクトを忘れず、同じ方向を向いて歩めるかどうかが試される。降格という現実は受け止めつつも、クラブを支え続ける力は必ず未来を変える。来季の愛媛FCが再び誇りを取り戻すために、選手とサポーターが新しい一歩をともに踏み出せるかどうかが問われている。