米議会下院は12日夜、6週間に及ぶ連邦政府の一部閉鎖を終結させるためのつなぎ予算案を可決した。米史上最長となった閉鎖は、航空輸送の混乱や食糧支援の遅延など国民生活に深刻な影響を及ぼしていた。
もっとも、連邦機関の全面再稼働にはなお数日を要する見通しだ。ダフィー運輸長官は12日、「1週間以内に航空便に対する制限を撤廃する方向で前向きな検討を始められると期待している」と述べた。
下院は同日夜、つなぎ予算案を賛成222、反対209で可決した。同案には閉鎖解除の条件として民主党が求めていた医療保険制度改革法(オバマケア)の保険料補助の延長が盛り込まれず、民主党の大半が反対票を投じた。
共和党のスーン上院院内総務は、補助措置の扱いについて今後数週間以内に採決を行う方針を示している一方、共和党のジョンソン下院議長は下院での採決を約束しない考えを示している。
ホワイトハウスによると、トランプ大統領は下院を通過したつなぎ予算案について、東部時間午後9時45分(日本時間13日午前11時45分)をめどに署名する予定だ。
政府機関の閉鎖は米経済に重くのしかかった。超党派の米議会予算局(CBO)は先月、6週間にわたる閉鎖により、今四半期の実質国内総生産(GDP)成長率が1.5ポイント低下するとの予測を発表した。それによると、連邦政府のプログラムが再開され、政府職員が未払い給与を受け取ることで、損失の半分強は来年早々に回復すると予想されている。
トランプ氏の署名を経て、つなぎ予算が成立すれば、連邦政府の大半は来年1月30日まで運営を維持することが可能だが、その時点で再び閉鎖の危機が訪れる可能性がある。
一方、農務省、退役軍人省、食品医薬品局(FDA)、軍関連建設プロジェクト、議会運営に関する予算は9月末まで得られる見込み。食糧支援プログラムの予算も9月末まで確保される。
今回の法案には、閉鎖期間中に休職を余儀なくされた連邦職員への給与支払い再開や、一時解雇された職員の復職措置などが盛り込まれた。1月30日まで連邦職員の解雇を禁じる条項も含まれている。
ただ、空の便の完全な正常化にはなお時間を要するとみられているほか、補助的栄養支援プログラム(SNAP、旧称フードスタンプ)も通常運用に戻るものの、実際の給付処理には時間がかかると見込まれている。
ホワイトハウスのレビット報道官は12日、政府閉鎖の影響で10月分の雇用統計と消費者物価指数(CPI)が公表されない可能性が高いと述べた。労働統計局(BLS)を含む主要な統計機関が業務を停止しており、基礎データの欠落により一部指標は回復不能になる恐れがあるという。
BLSは公表が遅延している経済指標の新たな発表日程を数日以内に発表する見込みだ。特定の経済指標を2カ月分まとめて発表する可能性もある。エコノミストらは、雇用統計の一部データが失われれば景気判断が難しくなると警告。こうした中、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合は12月9-10日に開かれ、3回連続の利下げを実施するかどうかを討議する。
原題:House Passes Spending Bill to End Record US Government Shutdown(抜粋)
— 取材協力 Maeve Sheehey and Jack Fitzpatrick
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