ボツワナではゾウが増え、国の指導者たちは不安を抱えている。ボツワナではゾウが増え、国の指導者たちは不安を抱えている。REUTERS/Thomas Mukoyaボツワナのモクウィツィ・マシシ大統領が「2万頭の象をドイツに送る」と脅しをかけた。ドイツがハンティングトロフィーの輸入に制限を設けるべきだと提案したからだ。ドイツ人は「我々にさせようとしているように、動物と一緒に生活してみるといい」と彼は述べた。

ボツワナのモクウィツィ・マシシ(Mokgweetsi Masisi)大統領(61歳)は、ハンティングに対するドイツの姿勢に異議を唱えるため、2万頭の野生のゾウをドイツに送りたいと述べた。

この発言は、ドイツ環境省が「ハンティングトロフィー(狩りで仕留めた動物を戦利品として剥製にしたもの)」の輸入は、密猟につながるとの懸念から制限を設けるべきだと提案したことを受けたものだと、ガーディアンが報じている。

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ドイツの日刊紙「ビルト」の取材に応じたマシシ大統領は、ゾウの過剰繁殖によってボツワナが被った影響を見ずに、ハンティングを批判するのは不当だと述べた。

ドイツ人は「我々に伝えようとしているように、動物と一緒に生活してみるといい」と彼は述べ、「冗談じゃないんだ」と続けた。

「ベルリンにいながら、ボツワナに関してあれこれ意見を言うのは簡単なことだ。我々は世界のために、そして『レムケの党』のためにさえ、これらの動物を保護しようと代償を払っている」と、ドイツの環境大臣であり、「緑の党」の党首であるシュテフィ・レムケ(Steffi Lemke)を引き合いに出した。

ボツワナには13万頭以上のゾウがおり、毎年6000頭ずつ増加しているとビルトは伝えている。

またガーディアンによると、ボツワナでのトロフィーハンティングは2014年に違法となったが、国民からの圧力によって2019年に解禁されたという。マシシ大統領は同紙に対し、ハンティングは近年増加しているゾウの個体数をコントロールするための手段だと語った。さらに、ゾウは人を踏みつけて殺したり、農作物や村を破壊したりと、国民に悪影響を及ぼすこともあると付け加えた。

ドイツ連邦環境省の報道官、スヴェーニャ・クラインシュミット(Svenja Kleinschmidt)は、この件に関して「ボツワナからはまだ連絡がない」とBusiness Insiderに語った。だが、ボツワナの環境相は3月末、ドイツの環境相と対談し、「オープンで建設的な意見交換」が行われたという。話し合われた内容は明らかにされていない。

「欧州連合(EU)の中でも、ドイツはハンティングトロフィーの最大級の輸入国だ。さらに、生物多様性が危機的な損失に直面していることもあり、我々は保護種のハンティングトロフィーのドイツへの輸入に関して、合法性と持続可能性を確保すべき特別な責任がある」とクラインシュミットは述べている。また、EUの「野生動物取引規則」に基づき、輸入許可証を必須とする項目に、保護種のハンティングトロフィーも適用するよう、現在協議中だという。

ボツワナにおけるゾウの生息数とハンティングの倫理的問題は、長年にわたって議論の対象となってきた。

ゾウは極めて大きく重いことから、人間を殺す可能性の高い種のひとつと考えられている。BBC Wildlife Magazineによると、現存する陸上動物の中で最大のゾウは、年間約500人の人間の死因となっている。

ハンティングによる経済的影響も考慮する必要がある。ボツワナ当局によると、同国は2021年にゾウのハンティングで約270万ドル(約410億円)の収入を得たとボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じている。

「国境なきゾウたち」はボツワナを拠点とする保護団体で、イギリスのハリー王子とメーガン妃が公的に支援している。同団体の公式サイトには、近年の保護活動によって回復しているものの「この大きな個体群をどのように管理するかについての懸念が高まっている」と記されている。

しかし、ゾウの譲渡は、効果的な解決策になっていないようだ。ボツワナはすでに8000頭のゾウをアンゴラに、500頭をモザンビークに譲渡しようとした。

イギリスは3月に「ハンティングトロフィー(輸入禁止)法案」を再度提案した。それを受け、ボツワナのDumezweni Mthimkhulu野生動物相は、ロンドンのハイドパークに1万頭のゾウを送りたいと語ったとメトロが報じている。

「イギリス人にも、私の国を打ちのめしているゾウとともに生きることを味わってみてほしい。地域によっては、人間よりもこの獣の方が多い。通り道に子供がいると殺してしまう。農作物を踏みつけて食べ、アフリカの人々を空腹に陥れている。人が使うための水をパイプから盗んでいる。ゾウは人間を恐れなくなった」

マシシ大統領は3月にスカイ・ニュースの取材に応じ、イギリスによる輸入禁止令は「横柄」で「植民地支配の復活」だと語った。

Business Insiderはボツワナ政府にコメントを求めたが、返答は得られていない。

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