2025.10.07
《Morphing Continuum》の中
デジタルでありながら、自然の摂理を取り入れたインタラクティブな空間作品で私たちを驚かせてきたチームラボ。その彼らが、2025年10月7日に国内で最大のミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」をオープンするとのことで、その先行内覧会を取材しました。現在、アブダビの「チームラボフェノメナ」、マイアミのアートセンターで展示されて話題を呼んでいる、「浮遊する巨大な彫刻」が日本で初公開されると聞いて興味津々。今回は、オープンに向けて制作中の新しい作品群約50点の中から7点を体験しました。中でも「認知革命が起きた!」と感じるほどインパクトのあった作品2点をご紹介します。
銀の玉の渦に巻き込まれてしまった!
薄暗く細長い廊下をしばらく歩くと、中が赤く光り、地底でうごめくマグマのようなゴーっという音が漏れ聞こえてくる入り口にたどり着きました。中がなんだかおどろおどろしそうなので、一瞬入るのをためらいましたがここは行くしかない。
《Morphing Continuum》の入り口
思い切って一歩入ると、足元がツルツル滑る感覚。すり足で進んでいくと、バスケットボールよりひとまわり小さい銀の玉が縦横無尽に飛び交い、自分にバシバシ当たってきます。何なんだここは!
《Morphing Continuum》の中で自分に当たってくる銀の玉の数々
少し遠くに目を向けると、イナゴの大群のように群れた銀の玉が、うずまきながら竜巻のような柱を作っています。最初は人間など存在しない原初の宇宙に迷い込んでしまったみたいで怖くもあったのですが、慣れてくると心地良い気もしてきました。銀色の玉は、常にバシバシ当たってくるのですが、柔らかいし攻撃しているのではない。しばらく経ってじっとしていたら、銀色の玉がたくさん集まってきてぐるぐる巻きに取り囲まれたりして。戯れているのかな?だんだん、原子レベルの生命体と一緒にいる気がしてきて、その生命体の世界は自分の中にもあるのではないかと思えてきました。
チームラボ《Morphing Continuum》©チームラボ
先ほど体験したのは《Morphing Continuum》という作品です。チームラボによると、「物体ではなく、特別な環境を創ることで、その環境が生んだエネルギーの秩序によって存在を創った」とのこと。そして、先程の銀の玉の動きも、人為的に操作したものではなく、環境変化とともに変化するものなのだそうです。その渦中を体験した私は、環境と自分が影響を与え合い、つながっているのだということを、頭だけではなく体で理解することができました。
泡の塊に抱きかかえられた
チームラボ《Massless Amorphous Sculpture》©チームラボ
さて次は、アブダビやマイアミで展示され、日本では初公開の《Massless Amorphous Sculpture》という作品です。ガラス窓の外から見た時は「雲だ!」と思ったのですが、中に入るとそれが全て泡の塊だということがわかりました。床から天井に届くほど巨大なものもあれば、小さくちぎれて浮遊するものもあります。どれも絶えず形を変えている。最初は、それらに触れないようにしていたのだけど、泡の塊の方から触ってきます。ハッと後ろを見ると、至近距離に泡の塊が居て驚かされたりされたり、なかなか茶目っ気があります。この塊に後ろから包み込まれたりもして、雲に変身して巫女のイオを抱きかかえたギリシャ神話の神ゼウスはこんな感じだったのかなと想像を馳せました(笑)。とにかくこの泡の塊は、一緒にいればいるほど生き物に思えてくるから不思議。
チームラボによると、「この空間には、物質は、ごく普通の石鹸と水と空気しか存在していない。泡は石鹸の泡である」とのこと。私たちがとらえる物質と生命の認知の違いが、紙一重なのだという事を実感しました。
刺激に満ちた濃密な体験でしたが、今回ご紹介した作品は氷山の一角。10月7日のオープン日には、新しい作品群や日本未発表作品などが多数登場するとのこと。楽しみに待ちましょう。(ライター・菊池麻衣子)
チームラボ バイオヴォルテックス 京都
開館日:10月7日
住所:京都市南区東九条東岩本町21-5
開館時間:9:00〜21:00
料金: 一般 3400円〜 / 高校生・中学生 2800円 / 子供 1800円 / 3歳以下無料
※事前日時指定予約制、日時による変動価格制
休館日:10月21日、11月4日、18日、12月2日、16日
※休館日が変更になる場合があります。
公式サイト:https://www.teamlab.art/jp/e/kyoto/
