欧州委員会が森林破壊防止規則(EUDR:the Regulation on Deforestation-free Products)の適用開始を、2025年末からさらに1年延期する検討に着手したことが明らかになった。25年9月23日付の欧州政策メディア「ユーラクティブ」は、欧州委員会で環境保護を担当するジェシカ・ロスウォール委員が22日、記者団に1年延期を公表したと報じた。

2025年9月に訪日し大阪万博を訪れた欧州委員会のジェシカ・ロスウォール委員(写真=欧州委員会)

2025年9月に訪日し大阪万博を訪れた欧州委員会のジェシカ・ロスウォール委員(写真=欧州委員会)

 EUDRは欧州連合(EU)の域内に森林関連製品を輸入・販売・輸出する企業に対し、製品が生産される際に森林破壊を引き起こしていないかの調査(デューデリジェンス)を求める制度。対象となる森林関連製品は木材、パーム油、大豆、牛肉、コーヒー、カカオ、天然ゴムの7品目。これらを原料に作られる紙やチョコレート、タイヤ、皮革、家具といった「派生製品」も対象になる。

 23年の発効時には、大手企業には24年12月30日から、中小企業には25年6月30日から義務付けを始めることになっていた。だが24年12月、EU理事会と欧州議会は、これらの義務の適用開始を1年延期する改正案に合意。大手企業は25年12月30日から、中小企業は26年6月30日から適用されることになった。ここからさらに1年延期する可能性が高まった。

 ユーラクティブが入手した、ロスウォール委員から欧州議会環境委員会のアントニオ・デカロ委員長と議長国デンマークに送られた23日付の書簡によれば、企業から提出された情報を管理するIT(情報技術)プラットフォームの機能に懸念があることが理由だという。

 ただユーラクティブは、「欧州委員会が世界最大のパーム油輸出国であるインドネシアとの貿易交渉を終えた後に発表された」と指摘している。欧州委員会は9月23日にインドネシア政府と包括的貿易連携協定と投資保護協定を締結したことを発表している。また、8月21日の米EU共同声明では、EUDRについて米国の懸念に配慮し見直す方針が盛り込まれていた。

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