
左官職人(右)から説明を受けながらしっくい塗りに挑戦する親子=金沢城公園で
昨年元日の能登半島地震で被災した金沢市の金沢城公園内にある鶴丸倉庫で12日、市民が復旧現場を見学するツアーが開かれた。事前申し込みした小学生以上の約60人が参加。参加者は実際にしっくい塗りを体験し、現代に息づく伝統の職人技への理解を深めた。(細見春萌)
ツアーは県公園緑地課が企画し、復旧作業にあたる川元建設、イスルギ(いずれも金沢市)などが協力した。
鶴丸倉庫は、江戸末期に建設された武具庫で、城郭内の土蔵としては全国的に最大規模。地震では外壁の張石が脱落したり、しっくい壁に亀裂が入ったりした。今年1月から復旧工事を始め、10月に完了予定となっている。
亀裂の入った壁は1度剝がし、左官職人が塗り直した。張石は一枚一枚大きさが異なるため、崩れた物は接着剤でくっつけて強化し、同じ場所に戻す。修復不可能な石は同じ凝灰岩の滝ケ原石(小松市)を切り出し、表面に「釿(ちょうな)がけ」という加工を施して古い石との風合いを合わせる。
工事の担当者による復旧状況の説明後、全国左官技能技術競技大会で優勝経験があるイスルギ社員、松井準(ひとし)さん(37)がしっくい塗りを実演。こてを使って1メートル四方のパネルに数分で均一に塗ってみせた。しっくいは消石灰や海藻などを混ぜて手作りしていて、海藻を煮るのに2〜3時間かけていると聞いた参加者は驚いていた。
その後、参加者はボードへのしっくい塗りに挑戦。「意外と力がいる」「でこぼこになっちゃう」と職人の技術を実感していた。野々市市野々市小学校3年の石月稜久(りく)さん(8)は「塗るのは難しかったけど、職人さんのまねをしたらうまくできた」と話した。
ツアーは13日も開催。申し込みは終了しているが、午前11時と午後2時からの左官職人体験のみ予約なしで、誰でも無料で参加できる。
