7月20日、参議院選挙の投開票が行われます。
今回の選挙の注目ポイントなどについて政治学の専門家に聞きました。
高知県立大・文化学部で講師を務める吐合大祐さん。
政治学や地方自治論の講義を担当しています。
7月20日に投開票される参議院選挙についてまず注目している点を聞きました。
■吐合さん
「給付金、年末の給付金であるとか、消費税減税であるとか、その手段、政策手段は様々だが、どの政党もやっぱり物価高とかコメ価格の高騰を考慮してそれを踏まえて経済対策、景気対策に比重を置いた選挙公報を打ち出しているというのが1つ大きな特徴かなと思います」
これに対し有権者はどう判断するのでしょうか。
■吐合さん
「手取りが増えないというところが1つの大きな有権者の不満たまっているところになるので、そこをどう解消していくか、そして解消する実行力があるのかというところが一つ見られているかなと思っています」
今回の参議院選挙は全国45の選挙区の74議席と比例代表の50議席あわせて124議席が改選となります。有権者は選挙区では候補者の名前を書き、比例代表では政党や政治団体の名前または候補者の名前を書くことができます。
吐合さんは、こうした参議院選挙の制度ならではの注目点も指摘しました。
■吐合さん
「参議院選挙自体がいわゆる第三極であるとか、中小政党、新興政党がやっぱりどうしても台頭・出現しやすい、比例制にやや重きを置いた選挙制度を採用しているので、そうした中小政党や新興政党が議会に進出することによって、いま石破政権は少数与党で政権運営を行っていますから、その後の政党間協力のあり方、こういったものに非常に大きな影響を与えるのではないかなと」
一方で衆議院が少数与党となり、野党がまとまらない状況について次のように指摘しました。
■吐合さん
「小選挙区制が1990年代に導入されて、その時の意図というか企図していたのは、政権交代可能な2大政党制を作るんだというのが大きな目標であったと思うんですね。しかしそれとは全く予想だにしないような構図が出てきたというのは専門家としては非常に驚きというか。本来批判の受け皿、与党が何かしらの有権者の支持を失った時に代わって台頭してくるのは野党のはずなんですけどその野党が、まとまり切れていないというのは不思議」
この上で、参議院選挙の新興政党や中小政党が出てきやすい構造が野党がまとまらない状況に拍車をかけているのではと指摘しました。
そして、今回5回目となる「徳島・高知選挙区」という合区選挙で低投票率が懸念されている点については。
■吐合さん
「人が投票にいくかどうかというのはもちろん、その有権者と政治家の接触頻度もあるんですが、やっぱり個々人のその所得状況であるとか教育水準であるとかあるいはその所属している社会的コミュニティ、選挙日当日のコストベネフィット。自分の一票の価値、あるいは自分の1票が選挙結果にどれだけ左右するかという主観的な認識。これが要は投票に行くことによって生じるコストを上回るかどうか」
この上で、有権者に対してはこうアドバイスしています。
■吐合さん
「関心をそもそも持てないんだと、何度も裏切られたんだというそういった方もいらっしゃるのは十分理解していますが、でもやはりまず政治を良くする、そのために自分の1票を活かすということを考えるのであれば情報に常に触れる、触れた情報をファクトチェックして情報を常にアップデートしていくという、そういう姿勢が1つ大事になっていくのかなと思います」
参議院選挙の投開票日まであと9日。各候補者の主張や各政党の公約など判断材料となる情報に触れる時間はまだ十分にあります。
