
資格確認書の送付を巡る問題を説明する県保険医協会の担当者ら=県庁で
国民健康保険(国保)の有効期限が切れる人に対し、東京都内の一部自治体がマイナ保険証の有無にかかわらず、全員に保険証代わりとなる「資格確認書」の送付を決めたことを受け、開業医らでつくる千葉県保険医協会(岡野久会長)は11日、県内でも市町村の判断を尊重するよう県に要望した。
国保の場合、資格確認書の作成や送付は区市町村が担う。国は、マイナ保険証を登録していない人だけに資格確認書を送る原則を示している。これに対し、東京都世田谷区と渋谷区は5月、マイナ保険証の有無を確認するシステムがなく、混乱を避けるため、資格確認書の一斉送付を決めた。
県内では、7月末に国保の有効期限を迎える。県保険医協会が5月までに県内53自治体にアンケートを取ると、「全ての国保加入者に資格確認書を送付する」と答えた自治体はゼロだった。だが渋谷区と世田谷区の事例を踏まえて今月に各自治体の担当者に聞き取り調査をすると、「市民に混乱が生じるかもしれないから全員に送付したい」「(資格確認書の発行を求め)マイナ保険証の解除申請の増加が不安」などの声が上がった。
マイナ保険証の有無を確認するシステムは業者に委託しているため、作業上の問題はないと答える自治体が多かった。国に対しては、自治体の柔軟な対応を尊重するよう求める声が多く聞かれた。一方、自治体によって異なる対応を問題視する担当者からは「国が方針をしっかり決めて」との要望もあった。この問題について、福岡資麿(たかまろ)厚生労働相は6日の国会で「最後は自治体の判断」と答弁している。
県庁で会見した県保険医協会の担当者は「本音では資格確認書を全員に発行したい自治体も、国の原則に従わざるを得ない状況だ。マイナ保険証のトラブルで医療機関を受診できない事態が起きないように、資格確認書を全員に発送することを認めてほしい」と求めた。(長屋文太)
