ドイツはウクライナに対し、50億ユーロ(約8200億円)相当の軍事支援を行うことに合意した。ロシア領内の標的を攻撃する長距離兵器をウクライナが製造するのを、ドイツは支援する。

  ドイツ国防省の発表文によると、同国の基金がウクライナの生産インフラに資金を投じ、年内に「相当数」の兵器を製造できるようにする。最初の生産システムは数週間以内に稼働するという。ドイツはまた、ウクライナが緊急に必要とする火砲に加え、兵器部品の供給を強化する。

  今週に入り、ウクライナ軍のロシア領内攻撃に「範囲の制限はもはや全くない」と述べていたドイツのメルツ首相は、ウクライナとの協力を強化すると表明。過去1週間のロシアによるキーウに対する攻撃は外交的な取り組みへの「侮辱」だと非難した。

  メルツ氏は28日、ベルリンでウクライナのゼレンスキー大統領と会談した後、同大統領とともに臨んだ記者会見で、「とりわけ週末のキーウに対する大規模な空襲は、平和を望む者がとる行為ではない。侵略戦争を望む者がとる行為だ」と述べた。ゼレンスキー氏のベルリン訪問は、メルツ氏が首相に就任して以来初めて。

Volodymyr Zelenskiy and Friedrich Merz in Berlin on May 28

ウクライナのゼレンスキー大統領(左)とメルツ独首相(28日、ベルリンで)

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

  ゼレンスキー氏は27日、国内の兵器生産強化とロシアの進軍阻止のため、年内に300億ドル(約4兆3200億円)が必要だと支援国に呼び掛けていた。米国の支援がしぼみ、外交的な取り組みが停滞する中で、ウクライナは国内資源の活用に活路を見いだそうとしている。

関連記事:ロシア軍阻止、年末までに300億ドル必要-ゼレンスキー氏が要請 (1)

  両首脳とも、軍事協力の詳細には言及しなかった。ショルツ前政権が拒んでいた長距離巡航ミサイル「タウルス」の供与をついに行うのかとの質問をメルツ氏はかわし、ウクライナが適切な防衛体制をとれるようにすることが協力の狙いだと答えた。ゼレンスキー氏は、両国のチームが新規プロジェクトの資金調達に関する合意を締結すると述べた。

  ゼレンスキー氏は「これらのプロジェクトは既に存在する。われわれが極めて必要としているだけの量を実現させたいだけだ」と語った。

邪魔

  メルツ氏の発言から1時間もたたないうちに、この発言は挑発に等しいとロシアは反発。

  ロシア国営タス通信によると、ペスコフ大統領府報道官は「ウクライナの戦闘継続を強制しようという試み以外の何物でもない」と主張。「平和的な解決に向けて動こうとする取り組みへの邪魔でしかない」と続けた。

  メルツ氏はロシアのプーチン大統領に停戦交渉への関与を繰り返し求め、「バチカンでも、ジュネーブでも、その他の場所でもいい」と呼び掛けた。

原題:Germany to Help Kyiv Build Long-Range Missiles to Strike Russia(抜粋)

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