2025年5月26日 17:20

山形県遊佐町の鳥海山麓で秋田県の業者が計画している採石事業について、町は条例に基づき、現在の計画では事業を進めることができない「規制対象」に該当すると決定しました。町は26日、業者に対し「規制対象」とする旨を通知しました。
この問題は、秋田県にかほ市の採石業者「川越工業」が遊佐町吉出の鳥海山麓で計画している岩石の採取事業をめぐり、掘削による地下水や湧水への影響が懸念されているものです。
川越工業が示している計画によりますと、標高390メートル付近にある会社所有のおよそ2万5000平方メートルの土地でおよそ30メートルの深さまで掘削し、岩石を採取するということです。
事業の開始はことし8月を予定しています。
川越工業は現在、酒田港で進む「基地港湾」整備事業などで使われる石を秋田県内から運んでいて、これに代わる採石場として遊佐町での採掘を進めたいとしています。
この計画に対し町民からは、地下水や湧水を守るために町が定めている「水循環保全条例」で現場周辺では深さ2メートル以上の掘削が規制されているとして反発の声が上がっています。
5月19日に開かれた町の審議会では、今回の事業計画について、掘削の深さが2メートルを超え、面積も1万平方メートルを超えることなどから条例に基づいて「規制対象の事業に認定すべき」とする意見書を松永裕美町長に提出しています。審議会の意見などを受け、町は、現在の計画では事業を進めることができない「規制対象」の事業に該当すると業者に通知する方針を決定しました。
松永裕美町長「条例の規制対象事業に該当するものと判断しました。鳥海山の水もそうですし遊佐町は鳥海山があっての遊佐町と、とても崇高で私たちの心のよりどころですので業者にはご理解いただきたいと思っています」
町の決定の通知書は26日午後、川越工業に手渡されましたが、その場で会社からのコメントはなかったということです。川越工業は2016年にも今回の計画の事業予定地に隣接する土地で採掘を計画したものの、遊佐町が条例に基いて岩石の採掘を認めませんでした。これを不服として遊佐町を提訴していましたが、最高裁判所が2022年に川越工業の訴えを退けています。
最終更新日:2025年5月26日 20:03
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