第108回ジロ・デ・イタリアが5月9日に開幕し、ライダーたちは6月1日のローマでのゴールを目指して約3,500km / 総獲得標高52,000mのコースに挑んでいる。全20日間のレースを通して、個人総合優勝とマリア・ローザを争うバトルでは、いくつかのステージが他よりもさらに重要性を増すことになる。
トスカーナのグラベルから、激坂だらけのクイーンステージまで、個人総合優勝の行方を決める可能性のある6つの重要ステージを紹介しよう。
新たな要素が追加されたルート
ジロ・デ・イタリア2025 全ステージ
© Giro d’Italia 2025
2025年のジロは史上初めてアルバニアの地を訪れた。アドリア海を渡ってグランデ・パルテンツァ(最初の3ステージ)を消化したあと、プッリャ州アルベロベッロでの第4ステージのスタートへ移動するための休息日というスケジュールが組まれた。
バルカン半島では、2日間の丘陵ステージのあと、2025年最初の個人タイムトライアルがアルバニアの首都ティラナで開催された。タイム差を広げるためには距離が短すぎるが、個人総合優勝争いにおいて誰が序盤から好調なのかを確かめる指標として機能した。
5月15日の第6ステージを終えた時点で、個人総合のトップ3はマッズ・ピーダスン(デンマーク | リドル・トレック)、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア | レッドブル=ボーラ=ハングスローエ)、マティアス・ヴァチェク(チェコ | リドル・トレック)となっている。
個人総合優勝争いを左右する可能性がある6ステージ:
01
第9ステージ(5月18日)
第9ステージ:グッビオ 〜 シエナ
© Giro D’Italia 2025
グッビオ 〜 シエナ(181km)
獲得標高2,458m | 丘陵
【レース的注目点】
2回目の休息日直前のステージとなる第9ステージはストラーデ・ビアンケで有名になった白いグラベルの5セクターを擁しているため、スプリングクラシックスの雰囲気を携えている。この全長28.9kmのグラベルだけで総合優勝の行方が決まる見込みは低いが、大きなメカニカルトラブルやクラッシュに見舞われれば、総合優勝の野望に深刻なダメージが加わる可能性がある。
ストラーデ・ビアンケと同じく、シエナのピアッツァ・デル・カンポが第9ステージのフィニッシュ地点となり、ライダーたちはパリオ競馬の開催地として有名なこの街を象徴する広場でフィニッシュラインを通過する。広場の直前に短く急峻なクライムが待っており、ここがステージ優勝やタイムボーナスの争いにおいて重要な意味を持ってくる可能性がある。
02
第10ステージ(5月20日)
第10ステージ:ルッカ 〜 ピサ
© Giro D’Italia 2025
【レース的注目点】
今年のジロにおける2回目かつ最後の個人タイムトライアルとなるルッカ 〜 ピサのステージは、本格的な山岳ステージが始まる前にタイムを稼げるラストチャンスとなる。
最初の個人タイムトライアル(第2ステージ)よりも長く、タイトル争いにおける重要性も大きいが、平坦なため、個人総合優勝候補のライダーたちが大きなアドバンテージを築くためには相当の努力が必要になるだろう。
ジロがピサを初訪問したのは1世紀前の1925年だが、この斜塔の地では45年間開催されていなかった。前回もここで終わるタイムトライアルが開催された。
03
第16ステージ(5月27日)
第16ステージ:ピアッツォーラ・スル・ブレンタ 〜 サン・ヴァレンティーノ
© Giro D’Italia 2025
ピアッツォーラ・スル・ブレンタ 〜 サン・ヴァレンティーノ(199km)
獲得標高4,679m | 山岳
【レース的注目点】
サン・ヴァレンティーノ(ブレントーニコ)山頂でフィニッシュを迎える距離17.4km・平均勾配6.4%・最大勾配14%の1級を含む5つの等級クライムにライダーたちが挑むこの最終週最初のステージでは熾烈なバトルが期待できる。
この時点までに個人総合優勝争いが激化していない場合は、アタックを仕掛けてライバルを苦しめるチャンスが数多く用意されているこの第16ステージで必ず激化するはずだ。
ブレントーニコでの最後のステージ優勝者は、そのまま2回目のジロ個人総合優勝を飾ったエディ・メルクスだった(1970年)。今大会のログリッチは両方の意味でのGOAT(史上最強 / 山ヤギ)の記録に並ぶことができるだろうか?
04
第17ステージ(5月28日)
第17ステージ:サン・ミケーレ・アッラ 〜 ディジェ – ボルミオ
© Giro d’Italia 2025
サン・ミケーレ・アッラ 〜 ディジェ – ボルミオ(155km)
獲得標高5,722m | 山岳
【レース的注目点】
第16ステージで総合順位に決定的な差がつかなかった場合は、次のステージでそうなるはずだ。等級山岳は3峰だけだが、獲得標高約6,000mのこのステージはクライムの回数がとにかく多く、ライダーたちはほぼ一日中登り続けることになる。
パッソ・デル・トナーレ(15.2km・6%)とパッソ・デル・モルティローロ(12.6km・7.6%)では個人総合優勝を狙うライダーの山岳アシスト(ドメスティーク)がふるいにかけられ、レ・モットを目指す最後のクライムとボルミオへの9kmの高速の下りで一騎打ちの展開になるだろう。
ジロがアルプスの町ボルミオでフィニッシュしたのは2017年が最後で、このときはイタリア人ライダーのヴィンチェンツォ・ニバリがスプリントフィニッシュでミケル・ランダを下した。また、この第17ステージは、ジロとイタリアの最も象徴的な登坂のひとつ、ステルヴィオ峠に最も近づく。
05
第20ステージ(5月31日)
第20ステージ:ベレス 〜 セストリエーレ
© Giro D’Italia 2025
ベレス 〜 セストリエーレ(ヴィアラッテア)(203km)
獲得標高4,713m | 山岳
【レース的注目点】
ピンクジャージのライダーがアドバンテージをさらに広げるか、それとも土壇場でライバルが逆転するのか? その最後のチャンスとなる今年のクイーンステージ残り100kmは見逃し厳禁だ。勝負のポイントとなるのはコッレ・デッレ・フィネストレ(18.5km・9.2%)の上りで、後半はグラベルが待っている。
スピードは第9ステージほど高くないが、未舗装路は個人総合優勝の望みを断つメカニカルトラブルに繋がる可能性があり、スペアバイクを差し出せるドメスティークが重要になる。
このレースの最高標高地点コッレ・デッレ・フィネストレを越えたあとは冷や汗をかかせる下りが待ち構えており、そこから先には、今年のジロ最後の等級山岳となるセストリエーレ(ヴィアラッテア)までのクライムが待っている。
コッレ・デッレ・フィネストレは2018年にピンクジャージのサイモン・イェーツが失速し、クリス・フルームが大胆な単独アタックを仕掛けたクライムだ。ツール・ド・フランスを4度制したフルームは、残り80kmにもかかわらず逃げを仕掛け、同じ英国人ライダーであるイェーツを引き離して総合首位を奪うと、最終的にはキャリア初にして唯一となるジロ個人総合優勝を飾った。
06
第21ステージ(6月1日)
第21ステージ:ローマ 〜 ローマ
© Giro D’Italia 2025
【レース的注目点】
ローマは主にセレモニアル的な意味合いの強い最終ステージで、マリア・ローザを巡るレースは前日に決着しているため個人総合順位に影響はない。しかし、この最終ステージはイタリアの首都にある石畳のサーキットで優勝ライダーがチームやファンたちとお祝いをする機会となる。
パリがツール・ド・フランスの最終ステージ開催地としてお馴染みだが、ローマがジロのフィナーレの舞台となるのは1911年以来今年で7回目だ。尚、このイタリアの首都でグランツールが閉幕を迎えるのは3年連続で、先日死去したフランシスコ教皇追悼のためにバチカンを通過する予定だ。
07
《レッドブルKM》がポイントに与える影響
《レッドブルKM》はジロ・デ・イタリアに翼をさずける
© Red Bull
ジロ・デ・イタリア2025の全21ステージ中19ステージにレッドブルがブランディングされた全長1kmの中間スプリントポイント《レッドブルKM》が設定される。この1kmを最初に通過したライダー3名がボーナスタイム6秒・4秒・2秒を獲得できる。
《レッドブルKM》はボーナスタイムが獲得できる唯一の中間スプリントポイントになるため、このセクターでは激しいバトルが展開されることが予想されている。
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