中国当局が住宅販売方式の抜本的な見直しを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。不動産危機の深刻化を招いた従来の事前販売モデルではなく、完成後の住宅のみを売ることを不動産開発業者に義務付けるという。

  非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、今回の取り組みは中国政府が策定中の不動産開発に関する「新たなモデル」の一環。最終決定には至っていないという。

  関係者によれば、検討されている案は導入後に販売される土地にのみ適用され、公営住宅事業は対象外となる見込みだ。地方政府には事情に応じて一定の裁量も認められる見通し。

  長引く不動産不況で個人消費や雇用が圧迫されており、中国当局はこれに歯止めをかけようとしてきた。政府の支援策を背景に住宅セクターは緩やかに持ち直しているが、回復は中古住宅が中心となっている。開発業者が工事を予定通りに完了できるのか、買い手側の懸念は根強い。

  住宅都市農村建設省にファクスでコメントを求めたが、返答がなかった。

資金難の業者に逆風

  開発業者が住宅を完成前に販売できる仕組みとなっている現在の制度は過剰供給を招き、開発企業の債務問題の一因になったと指摘されている。数年前には、建設途中で放棄された住宅プロジェクトを巡り、ローン支払いのボイコットが全国的に広がり、大きな社会問題となった。

  不動産情報を提供する克而瑞がまとめたデータによると、住宅市場が落ち込み始めた2021年当時、新築住宅の約90%が完成前に販売されていた。昨年にはその割合が約74%に低下した。

  だが、事前販売からの脱却を全国規模で進めた場合、すでに資金繰りが厳しく、販売低迷に見舞われている不動産開発業者の多くにとっては、資金難に拍車が掛かる恐れがある。一方、資金に余裕のある開発企業は新たな制度下で有利な立場を築き、土地取得や住宅建設を進めやすくなる見通しだ。

原題:China Weighs Housing Market Overhaul to Curb Pre-Sales (1)(抜粋)