米国のトランプ大統領は、米・欧州連合(EU)間で工業製品の関税を互いに撤廃することを求めたEUの提案を拒否した。対EUの相互関税20%は、9日に発動することになる。
トランプ氏は7日、ホワイトハウスで、EUの執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長の提案は、米EUの通商関係をリセットするには不十分と述べ、EUは他の関税障壁を維持していると非難した。
トランプ氏は「EUは、私たちにひどいことをしてきた。われわれは彼らを軍事的に守るために金をかけ、彼らは貿易でこちらから搾取している。良くないことだ」と述べた。
EUの通商担当の高官らは、米国の関税に対し、強固さを示しつつ事態を悪化させない程度の対応を模索している。

トランプ米大統領は、EUが貿易を通じ米国を搾取してきたと主張している
Source: Bloomberg
EUは来週前半、米国による自動車関税や相互関税に対する報復措置について、加盟国や業界との調整を始める。
欧州委は、ダイヤモンドやバイク、家電や農産品、タバコといった米国製品への関税を提案している。ブルームバーグが入手した文書によると、ほとんどは25%、一部には10%の関税を検討している。トランプ氏が欧州産のワインやシャンパンに200%の関税をかけるとしたことを受け、複数の加盟国は、関税リストからウイスキーを外すよう求めている。
一方でEUは7日、米国の鉄・アルミニウム関税への報復措置として用意していた、米産ウイスキーへ50%の関税をかける方針を取り下げた。
フォンデアライエン氏は、米国が同じ対応を取るならば、互いに工業製品の関税をゼロにする提案もしたとしていたが、米国側は受け入れなかった。

トランプ氏がEUと中国を通商政策の主な標的にする中、欧州側は、対立が制御不能に陥らないよう苦慮している。7日、トランプ氏は米国の自動車や農産品のアクセスをEUがブロックしていると主張し、欧州各国に米国産エネルギーをより多く購入するよう求めた。
ただ、トランプ氏はどんな妥協点を望んでいるのか明言しておらず、EU側は手をこまねいている。フォンデアライエン氏は、トランプ氏の就任以来、まだ会ってもいない。
関係者によると、イタリアのメローニ首相が来週にも訪米し、関税を巡りトランプ氏と直接交渉する予定だ。相互の関税引き下げを提案するという。ただ、EUが米国の鉄鋼・アルミニウム関税に対する報復措置として用意した関税の一部は、メローニ氏の訪米前に発動する見通しだ。
原題:Trump Dismisses Last-Gasp EU Push to Stop Tariffs Kicking In (2)(抜粋)
