欧州連合(EU)は12日、260億ユーロ(約4兆2000億円)相当の米国製品に輸入関税を課す計画を発表した。米国が鉄鋼とアルミニウムに対する25%の関税を発動した数時間後、対抗措置を取った。
米欧間の貿易戦争が大幅にエスカレートした。トランプ大統領の1期目に報復措置として導入され、その後一時的に停止されていたEUの金属関税は、これまで一度も発動されていないものも含め、4月1日に全面的に再導入される予定。
EUはまた、最高25%の関税を課す農産物および工業製品の追加リストを作成することを目指し、加盟国との協議を直ちに開始する。交渉の余地を残すため4月中旬までに導入するとし、EUの行政執行機関である欧州委員会で貿易・経済安全保障を担当するシェフチョビッチ委員が交渉を主導すると、当局者は説明した。

欧州連合(EU)は260億ユーロ(約4兆2000億円)相当の米製品に輸入関税を課す計画
Source: Bloomberg
欧州委のフォンデアライエン委員長はストラスブールで記者会見し、「本日実施する対抗措置は、強力でありながらも妥当なものだ」とした上で、「地政学的および政治的な不確実性に満ちた世界において、このような関税によって経済に負担をかけることは、双方にとって利益にならないと確信している」と訴えた。
EUは直ちに報復措置を発表したが、英国などは即座の行動は控え、交渉を呼びかけた。
EUは米国の鉄鋼およびアルミニウム製品に加え、繊維製品、農産物、家電製品に関税を課す。
EU当局者によると、現時点の計画は総額225億ユーロ相当の輸入品に関税を課すものだが、EUは米国が関税対象とする総額260億ユーロに匹敵する額まで引き上げる権利を有しているという。
EUは欧州にさらなる経済的痛手を与えないようにしながら、米国の政治的に敏感な分野に打撃を与えることを目指している。
関税対象には共和党が率いるネブラスカ州とカンザス州の牛肉と鶏肉が含まれる計画だと、当局者が匿名を条件に述べた。ジョンソン下院議長の選挙区であるルイジアナ州産の大豆も対象になるという。
ボート、バーボン、オートバイなど、トランプ氏との前回の貿易摩擦で対象となった製品も標的にする。

トランプ氏は12日、ホワイトハウスで、EUに対抗措置を取るかどうかを記者団に問われ、「もちろん対応するつもりだ。問題は、わが国が対応してこなかったことだ。EUは米国を食い物にするために設立された」と述べた。どのような措置を取るのかについては明言しなかった。
トランプ氏はさらに、欧州の付加価値税など米国との貿易の障害とみなされる政策に基づき、4月上旬から相互関税を課すと発表している。欧州製自動車を含む特定の品目が対象となる。
シェフチョビッチ氏は先月ワシントンを訪問し、ラトニック米商務長官を含むトランプ政権の主要メンバーと協議を行った。シェフチョビッチ氏は、トランプ氏が長年要求してきた自動車を含む工業製品の関税引き下げ、および液化天然ガスや防衛関連製品の輸入拡大を提案した。
「関税による混乱は、米政府がわれわれの申し出を受け入れ協力して合意に達するならば回避できる」とシェフチョビッチ氏は12日述べた。「われわれは交渉の用意がある」と強調した。
原題:EU Targets €26 Billion of US Products in Tariff Retaliation (3)、EU Targets €26 Billion of US Products in Tariff Retaliation (2)、Trump Vows US Will Respond to Europe’s Metal Tariff Retaliation(抜粋)
(トランプ氏の発言を加え更新します)
