九州地方知事会と経済界でつくる九州地域戦略会議は4日、熊本市で定例会議を開き、九州・山口・沖縄の半導体産業振興に向けたグランドデザイン(全体構想)をまとめた。工場だけでなく研究機関や新興企業も集積する「サイエンスパーク」を域内に複数整備し、相互連携を図ることが柱だ。国を交えた会議体を7月につくり、具体策の協議を始める。

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グランドデザインを発表する九経連の倉富会長(左)と九州知事会の河野会長(4日、熊本市で)グランドデザインを発表する九経連の倉富会長(左)と九州知事会の河野会長(4日、熊本市で) 構想では、熊本に進出した台湾積体電路製造(TSMC)の本社がある台湾で整備されているサイエンスパークのように、最先端半導体の技術研究や、半導体を使った製品、新サービスを生み出す企業などを集めた拠点を設けることを目指すとした。地方銀行による協調融資などを通じ、関連産業への資金供給に取り組む方向性も示した。

 サイエンスパークの整備については、国に対して産業政策への反映や規制緩和、税制面の支援などを求めることも盛り込んだ。 4日の会議では、TSMCの進出効果を域内で最大化させるため、各県や企業の連携が必要との考えを改めて確認した。その上で、グランドデザインの実現に向け、九州経済産業局や大学、半導体の業界団体を交えた「情報連絡会」を設置して定期的に会合を開き、具体的な取り組みについて話し合うことを決めた。 記者会見した共同議長の河野俊嗣・九州知事会長(宮崎県知事)はグランドデザインについて、「九州全体で取り組む気概をアピールできる。台湾など海外と関係を深めるきっかけにもなる」と強調。九州経済連合会の倉富純男会長は「台湾のサイエンスパークのように、企業や研究機関が連携して革新を起こす拠点が必要だ。中央官庁にも声を届け、九州全体として連携していく」と述べた。