宮崎県都農町が町内に建設した水産加工場が、1月に完成した後も運営体制などが決まらず稼働できていない。町が当初想定した指定管理者による運営は、地方自治法が対象と想定する公の施設になじまないと判断したのが主な理由。町は民間の養殖・加工業者への事業委託に転換する方針で、水産加工のノウハウがある協力企業を探している。
町によると、水産加工場は前町長時代に計画され、建設費約5億500万円をかけて都農港内の都農町漁協近くに建設された。輸出も視野に、急速冷凍機や真空パックなどが可能な設備を備えている。
町は当初、町漁協を指定管理者とする方針だったが、昨年9月の町長選で坂田広亮町長が初当選した後、庁内で検討して方針を転換した。地方自治法では、指定管理制度の対象となる公の施設を「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」と規定。この点について、町は「水産加工場は(制度が一般的な)公園などと違い、作業員しか入れず公の施設に該当しない」と判断。町が直営するノウハウもないため、民間の養殖・加工業者への事業委託を検討している。 ただ、原材料の調達面でも不安が。同漁協の漁獲量だけでは足りないことが見込まれており、町は産官学で連携して陸上養殖事業を推進し、高級魚「タマカイ」の試験養殖に成功していた。しかし町はふるさと納税指定取り消しの余波で緊縮財政に転じ、量産用プラントの新設計画を凍結。加工場が稼働した場合、原料の魚の多くは町外から調達する必要があるという。 建設費のうち約4億7400万円は地方債で、坂田町長は「人材育成から始めないといけないが、借金を回収できるよう稼働に向け注力したい」と話している。
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