著名人の家族の歴史を探るNHKのドキュメンタリー番組「ファミリーヒストリー」が好評を博すように、先祖がどのような人物だったか関心を持つ人はそれなりにいるようだが、この人の場合は規模が違う。60年余りをかけて、1000年を超える内藤氏の歴史をまとめたのがこの本だ。
『数学の世界史』加藤文元著
きっかけは大学時代の好奇心だった。「当時は3、4代前までしかわかっていなかった。本などを調べたら何かわかるかと」。自身が15代当主を務める
挙母(ころも)
藩(愛知県豊田市)の内藤家はもちろんだが、東京都新宿区の新宿御苑がある辺りにかつて屋敷を構え、「内藤新宿」という地名の由来となった高遠藩(長野県伊那市)の内藤家や、太平記に登場する足利尊氏を助けた丹波の内藤氏など、様々な内藤氏が調べる対象となった。
その過程では『国史大系』や『群書類従』などの史料を分析するだけではなく、和歌山県や京都府を始めとする各地に足を運んだことも。「その辺りで一番大きい内藤さんの家に行き、いきなり玄関のベルを押したこともありました」と苦笑する。そこまでしても、詰め切れなかった部分もあったという。調査手法は「独学」 気づけば父と似た道に そんな著者は、大学で修めたのは経済学で、卒業後も証券会社や百貨店などの勤務が長かった。今は学習院名誉院長を務めるが、特に歴史と縁が深かったわけではない。調査手法も「独学」だったが、気づけば、古い時代を調べるという意味では、考古学者だった亡き父・政恒さんと似た道を歩んでいたことに。 「父が生きていた頃は、仕事のすごさを十分理解できていなかった。没後に父の著書の復刊要請があるなどして初めてわかった気がした」。そして、こうはにかんだ。「自分も父と同じように後世に残る仕事ができていたとしたら、うれしい」(えにし書房、1万1000円)十時武士
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