総務省消防庁は、消防団員の減少を食い止めるため、年内にも全国統一の入団促進マニュアルを策定する方針を固めた。従来、勧誘活動は主に市町村や団が個別に行っており、同庁が全国的なマニュアルを作るのは初めて。若者や女性団員の確保策などを紹介し、効果的な広報活動に役立ててもらう狙いがある。出初め式で一斉放水をする消防団員(1月6日、宇都宮市で)出初め式で一斉放水をする消防団員(1月6日、宇都宮市で) 消防団員は、消火や救助、避難誘導など消防隊員の活動を補完する特別職の地方公務員。全国に約76万人いるものの、団員数の減少が深刻化している。少子高齢化や新型コロナウイルス禍の影響で、新規入団者数は2012年度の5万2263人から、22年度には3万6395人まで激減した。風水害への警戒など対応頻度が高い地方での減少が特に顕著で、最近10年間の減少率は3大都市圏の9・1%に対し、地方では13・3%に上る。

 消防庁が入団促進のカギと見て重視するのが、女性や若者が活動しやすい環境作りだ。産休・育休の制度化に加え、待機所に更衣室や女性用トイレの設置を促し、ソフト・ハード両面で充実を図るよう指南する。 広報や大規模災害時の活動など、特定の業務にのみ参加する「機能別団員」制度の存在も周知する。消防庁が昨年実施したアンケートでは、団員減少の要因に「本業の多忙・私生活の優先」を挙げた現役団員が7割以上に上った。短時間でも可能な範囲で参加できる業務の選択肢を示すことで、若者をはじめとした人材の掘り起こしを図る。 新規団員の獲得に成功している地域の実績や事例も紹介する方向だ。横浜市旭区では、団幹部に女性を登用し、女性が参加しやすい訓練を設けるなどの環境整備に努めた結果、女性団員数は取り組み前から倍増し、130人となった。 消防団を巡っては、能登半島地震でも避難誘導や救助活動で活躍したことから、改めて重要性が認識されている。松本総務相は今年2月、全国の自治体に対して団員確保と地域防災の充実を図るよう求めており、消防庁は、マニュアルの活用を通じて担い手の確保につなげたい考えだ。