QAB 琉球朝日放送
琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄(みなと・かずお)さんです。
湊和雄さん「宜しくお願いします」
今回のテーマは「セミのトリは?」です!セミ?で、トリ??
湊和雄さん「サシバの声を耳にする機会も増えてきました。秋の訪れを感じる亜熱帯沖縄ですが、まだまだ夏を代表する昆虫セミの活動も活発です」
さて、今回のイミフなタイトルは?種明かしは本編で。視聴者の皆さんも一緒に考えながら、早速VTR見てみましょう!
湊和雄さん「10月に入り、サシバの鳴き声を耳にする機会も増えてきました。この物悲しい声を聞くと、秋の訪れを実感します。国内では本土で繁殖し、越冬地の東南アジアへ移動コースに沖縄も位置します。一部は沖縄でも越冬」
湊和雄さん「キセキレイは九州本土以北では一年中見られますが、沖縄には冬鳥として渡ってきます。なので、沖縄では秋の使者です。背後で鳴いているのはセミです。3種類の声が混ざっています。この3種を解説していきましょう」
湊和雄さん「まず、リュウキュウアブラゼミ。6月初旬から10月いっぱい、ときには11月に入っても声を聞くことがあります。このように短時間鳴いては移動することを繰り返すのが特徴です。この行動を『鳴き移り』と呼びます。近年でも変わらず活発に活動しているセミです」
湊和雄さん「次はクロイワツクツク。本土のツクツクボウシの仲間です。先ほどのキセキレイの背後で最も多く鳴いていた種類です。
体色も地味で、濁声ですね。
湊和雄さん「8月から11月前半に鳴きます。これもクロイワツクツクですが、複数で鳴いています。実は今回の撮影で困ったのが風です。このところ、日本近海で立て続けに台風が発生していますね。沖縄から距離はあっても、なかなか風が収まりません。強風によるノイズが入ってしまいます。そして、細い木にとまると揺れてしまって、映像的にも影響がありますね」
湊和雄さん「ここで見て貰いたいのが、腹部です。逆光気味だと透明に見えますね。
確かに!
湊和雄さん「実はセミの太い腹部はほとんど空洞なのです。雄の場合は、鳴き声の共鳴装置だと言われています。クロイワツクツクは同じ場所にとまって長い時間鳴き続けるのが特徴です。実は、ここ10年ほどで激減しています。特に沖縄本島では中南部で。今も変わらずこの声が聞かれるのは北部だけです」
湊和雄さん「3番目はオオシマゼミです。これもツクツクボウシの仲間ですが、クロイワツクツクよりも大型で、鮮やかな色彩です。鳴き声は甲高く、リズム感もありますね。この声は、やんばるの森では離れた場所まで響きます。6月下旬から鳴き始めますが、多くなるのは8月に入ってから。そして11月いっぱい、ときには12月に入っても見かけることがあります。近年でも変わらず多くのオオシマゼミが活動しています。30、40秒鳴いて一区切り付けるか、飛び立つのが習性です」
湊和雄さん「台風の影響で、海も荒れています。いつになったら、穏やかな海が戻ってくるのでしょう?それでも、クロイワツクツクとオオシマゼミが鳴いています。さて、タイトルの謎解きです。秋になっても活動を続ける亜熱帯のセミですが、沖縄本島で最後まで鳴いて(歌って)いるのはオオシマゼミです。トリですね。セミファイナルはクロイワツクツク」
トリもセミ、セミファイナルもセミでしたね!湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました!以上、リュウキュウの自然でした。
