2026年F1第5戦カナダGP予選後に行われた5件の審議について、スチュワードによる裁定が出そろった。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールに関わるリリース関連の2件で違反を認定され、合計1万2500ユーロ(約230万円)の罰金を科された。
審議の対象となったのは先の2件に加え、ストロールによるニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)への走行妨害容疑、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)によるピエール・ガスリー(アルピーヌ)への走行妨害容疑、そしてセルジオ・ペレス(キャデラック)のレースディレクター指示無視容疑だ。
アロンソのリリースで罰金5000ユーロ
フェルナンド・アロンソは予選Q1で、ファストレーンを走行中のフランコ・コラピント(アルピーヌ)の前方に進入した。
スチュワードは、この影響によりコラピントは、接触を避けるためにステアリングを切ることを余儀なくされ、フロントタイヤをロックさせたと結論づけた。
この件で、アストンマーティン・ホンダには5000ユーロの罰金が科された。
ストロールはホイールカバー脱落で罰金7500ユーロ
ストロールの件に関しては、より高額な罰金が科された。その理由は、ピットレーンだけでなくコース上の安全を脅かしたためだ。
ガレージを出てピットレーンを走行していたストロールのマシンからは、外側のホイールキャップが脱落し、さらにコース上では内側のホイールカバーが外れた。ストロール自身はこの状況を認識していなかった。
チームは聴聞で、これらのパーツの固定確認工程に見落としがあったことを認め、再発防止に向けて点検工程を徹底的に見直すと約束した。
スチュワードは、他車がコース上を周回していたことに触れ、脱落したパーツが他車や人に当たれば危険な状況につながりかねなかったと指摘。チームに7500ユーロの罰金を科す決定を下した。
ストロールの走行妨害疑惑は不問
ストロールがQ1でヒュルケンベルグの走行を妨害したとされる件は不問となった。
問題視されたのはターン5での行動だった。ストロールは、後方から接近するヒュルケンベルグを認識していたものの、その時点では彼とのギャップを広げるだけのパワーがなかったと説明した。
また、直前にコース外に飛び出しており、左側の路面も汚れていたため、レーシングラインを外れるとコントロールを失う恐れがあると考えたと釈明した。
ヒュルケンベルグ側も、この件を「不必要な妨害」とは見なさなかった。そのため、スチュワードは追加措置なしと判断した。
ハミルトンも追加措置なし
予選5番手を記録したハミルトンはQ1セッション中、ターン8でガスリーのフライングラップを妨害した疑いが持たれていたが、こちらもお咎めなしの裁定が下された。
ハミルトンは聴聞で、ガスリーはプッシュラップ中ではないと考えていたと釈明した。フェラーリ側も同じ認識だった。
一方のガスリーは、この件を「不必要な妨害」とは考えていないと説明した。スチュワードは映像、タイミング、テレメトリー、無線などを確認したうえで、追加措置なしとした。
ペレスには戒告処分
ペレスについては、レースディレクターの指示を遵守しなかったと判断された。
予選では、ターン12~13間で他車に進路を譲る場合、レーシングラインを離れてコースの右側に寄らなければならないとされているが、スチュワードによるとペレスはこのルールに従わなかった。
ペレスは聴聞で、ウィービングしていたため、後方から接近してくるマシンはアウトラップ中だと考えたと釈明した。だが実際にはそうではなかった。
スチュワードは、ペレスの判断に一定の合理性があった可能性を認めつつ、レースディレクターの指示に従わなかった事実は変わらないと判断。違反を認めつつも、戒告処分(ドライビング)にとどめた。
予選後に審議された5件は、いずれもグリッド降格など順位に直接影響するものではなかった。ただしアストンマーティン・ホンダにとっては、オペレーション面の課題が露呈する結果となった。
