2026年5月14日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:表現の自由

アムネスティは5月2日、世界報道の自由の日を前に、東アフリカおよび南部アフリカの各国当局が、この1年間、独立系ジャーナリストに対する嫌がらせや恣意的な逮捕・拘禁を続けてきたことを指摘した。
特に2025年、2026年初頭に選挙が行われた国々では、インターネットの遮断や停止が増加し、メディアの自由を制限するために制限的なサイバーセキュリティ法が利用されていた。
地域全体で、政府や、場合によっては非国家主体が、通信遮断や逮捕、恣意的な拘禁を通じて、メディアやジャーナリストに対する弾圧を強化している。刑事司法制度を武器にジャーナリストを標的にし、広範であいまいな表現で規定された法律を利用して声を封じ、威圧しており、メディアの収益が低迷していることと相まって、報道の自由がさらに脅かされている。
メディアへの圧力強まる
エチオピアでは、ここ数カ月、ジャーナリストが当局による新たな弾圧の波に直面している。ワゼマ・ラジオやアディス・スタンダードといった著名なメディアの免許が恣意的に取り消され、ジャーナリストは違法な監視の末に拘束されており、強制失踪の報告も増加している。独立系メディアのアディス・スタンダードによれば、2026年4月15日にミリオン・ベイエネ編集長が首都アディスアベバで国家情報機関の職員によって拉致されたという。2週間にわたり、弁護士や家族との面会も許されないまま、非公開の施設で拘束され、その後家族と弁護士に身柄を引き渡された。彼の拉致は、ジャーナリストとしての活動に関連しているものとみられる。
エチオピア当局によるジャーナリストやメディアへの攻撃は、国際メディアにも向けられている。
タンザニアでは、2025年8月、内務大臣が警察に対し、「デジタルプラットフォームを利用して平和と安全を乱す個人」を監視する目的で「オンラインパトロール」を実施するよう命じた。そして9月、タンザニア通信規制当局は、オンラインプラットフォーム「JamiiForums」に対し、2020年オンラインコンテンツ規制およびその改正規制に違反し、政府に関する誤解を招く中傷的な内容を掲載したとして、90日間の利用停止処分を科した。
10月には、当局は総選挙期間中、インターネットの一部遮断を実施した。また選挙前後は、国内外のメディアが同国の人権状況に関する報道を禁じられた。
ウガンダでは、首都カンパラのカウェンペで2025年3月に行われた議会補欠選挙を取材していた数十人のジャーナリストが治安部隊に襲撃され、その後、民放局NTVウガンダや日刊紙デイリーモニターの記者も、議会の議事や大統領府に関する取材を禁止された。また、同国の2023年反同性愛法は、出版、放送、配布およびオンライン上の表現を通じた「同性愛の助長」を犯罪とし、免許の停止または取消しという罰則を科すものだが、この法律により、LGBTQI+の人びとに関する生活や公衆衛生、彼らに対する暴力や強制立ち退き、裁判、権利擁護の問題を報じるジャーナリスト、編集者、ポッドキャスト配信者、人権派記者、地域メディアは、抑圧的で威圧的な環境に置かれ続けている。
ジンバブエでは、ジャーナリストのブレスト・ムランガさんが、2026年2月18日に開催された「人権と民主主義のためのジュネーブサミット」で、メディア弾圧と市民社会の縮小について演説したことを受け、今も亡命生活を余儀なくされている。また、ニュースサイト「Bulawayo24」のジャーナリスト、ギデオン・マジカティゼさんは、廃棄物管理会社をめぐる汚職疑惑を報じたために拘束され、オンラインで公開された記事だったにもかかわらず「無免許放送」とオンライン上の嫌がらせの罪で起訴された。2026年2月18日以降、拘束されたままで、保釈申請は3回却下されている。
武力紛争下における報道の自由
コンゴ民主共和国(DRC)では、武装集団「3月23日運動(M23)」が東部を広範に掌握していることで、メディアが萎縮を強いられている。M23によるジャーナリストの拘束、拷問、脅迫などにより、多数のジャーナリストがM23支配地域からの脱出を余儀なくされ、また、M23による人権侵害やその他の扱いが難しい問題に関する報道内容にも影響が及んでいる。
モザンビークでは、2025年2月、国家通信局がナンプラ市のラジオ局「ヴィダ」と「エンコントロ」に対し、放送が地元空港の管制塔と航空機との通信を妨害していると証拠もなく主張して、48時間の放送停止処分を科した。ラジオ・エンコントロは、政府や2024年の選挙に対し批判的だった。
6月、カボ・デルガド州ムイドゥンベ郡で、16人のジャーナリストが治安部隊によって逮捕され、機材を没収された。彼らは、近隣にある武力紛争中のマコミア郡で公共インフラが破壊される様子を撮影しようとしたことに関連し、2時間にわたり尋問と脅しを受けた。撮影許可は、事前に郡行政官から得ていた。
ソマリアでは、ジャーナリストが治安部隊により、脅迫や嫌がらせ、威圧、暴行、恣意的な逮捕・起訴などを受けている。政府は、治安の悪化、汚職、強制立ち退きなど、公益に関わる問題を報道するジャーナリストに対する統制と検閲を強化した。
南スーダンでは、サルバ・キール・マヤルディ大統領が2026年2月、サイバー犯罪・コンピュータ不正使用に関する法律に署名し、同法が成立した。南スーダンの人権活動家や国際NGOジャーナリスト保護委員会は、この法律が正当なオンライン活動を犯罪化したり、メディアの自由をさらに制限するために悪用されたりするおそれがあると警鐘を鳴らした。
スーダンでは、国軍と軍事組織との紛争が続く中、双方から標的とされ、逮捕、拘束、拉致、殺害に遭っている。
アムネスティが確認したジャーナリストへの攻撃のすべての事例において、責任を問われた者はいない。被害者たちは、司法による救済や実効性のある救済措置を受けらずにいる。メディアに対する敵意の高まりは、市民の情報を受け取る権利と責任追及を脅かしている。
ジャーナリズムは犯罪ではない。アムネスティは、東部・南部アフリカの当局に対し、職務を遂行したために拘束されているすべてのジャーナリストを直ちに釈放し、有罪判決と刑を取り消し、係争中の訴追も取り下げるよう、あらためて求める。また、メディアの自由を阻害するような法律の制定も控えるべきだ。
アムネスティ国際ニュース
2026年5月2日
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