県高校総体前特集 バスケットボール男子(1)柳ケ浦 全国区へ駆け上がる 超攻撃型が進化【大分県】

 県高校総体の開幕が目前に迫り、県内バスケットボール界の熱気は一気に高まっている。前哨戦となる南九州四県対抗選手権(南九対抗)県予選を制したのは柳ケ浦。本戦でも3戦全勝で頂点に立ち、県内では一歩抜け出した存在であることを示した。だが、その背中を追う勢力も確実に力を伸ばしている。3年ぶりの復権を目指す別府溝部学園、着実に地力を高める大分上野丘など、公立勢の台頭も見逃せない。
 本特集では、県総体直前の実力校5チームに焦点を当て、それぞれの現在地と可能性を掘り下げる。第1回は全国区へと駆け上がった柳ケ浦。南九対抗連覇の裏に見えた進化と課題、その現在地に迫る。

【チームパラメーター】( )は昨年の数値
オフェンス 9(7)
ディフェンス 7(9)
リバウンド 8(9)
シュート 7(7)
スタミナ 8(8)
高さ 8(8)

 全国の舞台で存在感を示し始めた柳ケ浦が、次なる段階へと歩みを進めている。高校年代最高峰の「U18日清食品トップリーグ」参戦を果たし、名実ともに全国区の仲間入りを果たした今季。その勢いは南九州四県対抗バスケットボール選手権でも止まらなかった。各県の上位校が集う男子1位リーグで連覇を達成。結果だけでなく、その過程にこそ、このチームの現在地が凝縮されている。

 掲げるのは、毎試合100得点を狙う「超攻撃型スタイル」。中村誠監督は「(トップリーグの)昇格で満足していてはこの先は勝てない」と言い切る。療養からの復帰を果たした指揮官のもと、攻撃的志向はより明確な輪郭を持ち始めた。速い展開の中で得点を積み重ねるだけでなく、試合を支配する力をどう磨くか。その問いに、チーム全体で向き合っている段階だ。

超攻撃型の切り込み役となる桃宇

 もっとも今回の連覇は決して順風満帆ではなかった。主力の得点源を欠く想定外の状況の中で戦うことを強いられた。北野琳斗アシスタントコーチは「誰が点を取るのか」が大きなテーマだったと振り返る。留学生ママドゥへの警戒が強まる中、日本人選手がどこまで得点に絡めるか。その課題は、勝利の裏側でより鮮明になった。

 その中で光を放ったのが、新たな得点源として期待される選手たちだ。天野大空郎(3年)と桃宇航大(2年)は波はあるものの、ポテンシャルの高さを随所で見せた。さらに兼城歩睦(2年)も外角からの得点という役割を担い、存在感を示した。主力不在という状況が、チームに新たな選択肢をもたらしたとも言える。

得点源と期待される天野

 一方で、守備の軸として期待される川崎斗夢(3年)と中尾富太朗(2年)の存在も見逃せない。攻撃力に目が向きがちなチームだからこそ、守備で流れを断ち切る役割は重要だ。攻守のバランスが整ったとき、このチームのポテンシャルはさらに引き上げられる。

 トップリーグ参戦は通過点に過ぎない。目指すのはその先、まだ到達していない全国8強入りである。攻撃力を磨き続けながら、守備の強度を高める。その両輪がかみ合ったとき、柳ケ浦は本当の意味で全国の強豪と肩を並べる存在になるだろう。

 南九対抗の連覇は、あくまでその序章だ。次に待つのはインターハイ予選となる県高校総体。主力の復帰がいつになるかは不透明な中で、今いる戦力でどこまで完成度を高められるかが問われる。柳ケ浦の挑戦は県内の枠を超えている。全国を見据えた戦いが、いよいよ本格化する。

(柚野真也)

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