パ・リーグ ソフトバンク6―1楽天 ( 2026年4月1日 楽天モバイル )

<楽・ソ(2)>力投する徐若熙(撮影・西海健太郎)
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ソフトバンクの新戦力、徐若熙(シュー・ルオシー)投手(25)が1日、来日初登板で圧巻の投球を見せた。楽天戦に先発し、6回3安打無失点の好投で初勝利。150キロ超の直球、チェンジアップ、カーブなど変化球を駆使し、チームの開幕5連勝に貢献した。日米複数球団による争奪戦の末、3年総額推定15億円で台湾プロ野球の味全から入団。「台湾の至宝」と称される右腕がデビュー戦から強烈な輝きを放った。
攻略されていた打者を封じ、圧巻の日本デビュー戦を締めくくった。6―0の6回1死一、二塁。徐若熙は2打席連続で安打されていた辰己のインコースを強気に攻めた。最後はカウント2―2からの150キロ直球で遊ゴロ併殺に封じた。6回3安打無失点。来日初登板初先発で力強く初白星をつかんだ。
「凄くうれしいですし、守ってくれたチームメートに一球一球、本当に感謝してます。いい活躍を見せられてうれしいです」
この日のために仙台入りした台湾メディアから「加油!(頑張れ!)ルオシー!」と声援を受けマウンドに向かった。初回は11球オール直球勝負。先頭の佐藤から来日初奪三振をマークした。「捕手の要求通りに投げたよ」と海野のサインを信じ、2回からは変化球も織り交ぜていった。フォークのようにボールを挟んで投げて独特な変化を描くチェンジアップ、スライダー、カーブを低めに集めた。この日の直球の最速は2回先頭の黒川を三ゴロに抑えた155キロ。自己最速158キロには届かずも威力は十分で、浅村らから計6三振を奪った。
吸収力が高いピッチャーだ。春季キャンプの中盤には調子が上がらず、倉野投手コーチから“魔改造”を施された。昨季まで所属した台湾・味全での好調時の映像を見て出力の差を感じた同コーチから「左手の使い方を習いました」。修正に取り組み球威、球質を戻し、WBC台湾代表、開幕前の実戦で好投。敵地での日本デビュー戦で期待通りの好投を見せ、小久保監督は「寒い中でも素晴らしい投球。セットポジションも長く球を持ったりしてセンスを感じる。頼もしいピッチャーが入ってくれました」と称えた。
1月末に初来日して食生活にもだいぶ慣れてきた。お気に入りは博多名物の豚骨ラーメンで「何店舗か行きました」。開幕前には投手陣に歓迎会を開いてもらい、その時に教えてもらった日本語は「ヤバい」。来日初登板から“ヤバい投手”という印象を相手に植え付けた。 (井上 満夫)
≪笑顔と勝負師の顔、驚きに切り替え≫
【記者フリートーク】徐若熙をまだ3カ月ほどしか取材していないが、オン、オフのスイッチの切り替えには驚いている。
登板前はその端正な表情を和らげて“ほほ笑みの貴公子”かというくらいにこやかだ。練習用のSSK社製のグラブには「Smile」と笑顔マークが刺しゅうされている。担当通訳によると名前にある「熙」という字には「心が明るく晴れやかに喜ぶ、楽しむ」との意味があるという。
だが、この日の試合で使用したグラブに笑顔マークは見当たらなかった。「球場に入れば真剣勝負。笑顔は意識していない」とマウンドに立てば勝負師となる。本番前と本番中のギャップにぜひ注目してほしい。(ソフトバンク担当・井上 満夫)
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