佐賀県唐津市の「虹の松原」で2019年7月、走行中の車が、折れた松の木と衝突し、11歳の男の子が死亡しました。この事故の責任をめぐり行政を相手取った裁判で、男の子の母親が13日、初めて証言台に立ちました。母親は「ずさんさから大切な息子の命を奪われ、やりきれない気持ちでいっぱい」と涙ながらに語りました。

■母・明日香さん
「ふふふふふ。」
■川﨑辿皇(てんこう)くん(当時11)
「こっちのほうが食べやすい。」
■明日香さん
「ママと食べ方、一緒。」

川﨑辿皇くん。11歳の男の子の命が突然失われたのは、今から6年半前のことでした。

佐賀県唐津市にある、国の特別名勝「虹の松原」。100万本のクロマツの景色は、地元の宝として大切に守り継がれてきました。

この松原を通る県道で2019年7月、松の木が折れて走行中の軽乗用車に衝突。助手席に乗っていた辿皇くんが命を落としました。車を運転していたのは、母親の明日香さんでした。

■明日香さん
「隣を見たら息子の胸の上に大きな木が載っていて、声をかけたけれど返事もなくて。」

松の枝が、辿皇くんの胸を貫いていました。

これは、事故の前に撮影された現場の写真です。

道路側にせり出した幹が、反対車線まで覆っています。実はこの木、以前から危険性が指摘されていたのです。

なぜ、そのまま残っていたのか。真相を明らかにするため、母親の明日香さんは損害賠償を求める訴えを起こしました。

■明日香さん
「たった一本の木でも、人の命を奪ってしまう危険性があるということ。認識を持ってほしいと思っています。」

遺族が相手取ったのは、松原の管理に携わる国・佐賀県・唐津市の三者です。

「虹の松原」は国有林のため、国が所有しています。

一方、松原を通る県道や、その周辺で危険な木の伐採など安全管理を行うのは佐賀県の役割です。

ただ、伐採を許可するかどうかは唐津市が決めることになっています。