神奈川県警 公式HPより
神奈川県警第2交通機動隊(通称2交機)における交通違反取り締まりの不適切運用が大規模に発覚した。スピード違反や車間距離不保持などの取り締まりで、必要な追尾距離を確保せずに違反を認定し、反則切符に虚偽の記載を繰り返していた疑いが判明。県警は適正証明ができない約2700件の違反を取り消し、納付済みの反則金約3500万円を還付する方針を固めた。巡査部長ら数人を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で横浜地検に書類送検する見通しで、警察の取り締まり信頼性が深刻に揺らいでいる。
不正の発覚経緯と1年半にわたる徹底調査の実態
問題の端緒は2024年8月頃に県警へ寄せられた1本の電話だった。取り締まりを受けた市民が「交付された交通反則切符に記載された車間距離が実際と明らかに違う」と相談。
これをきっかけに県警は即座に内部調査を開始し、ドライブレコーダー映像や実況見分調書などを1年半以上にわたり精査した。調査の結果、主に第2交通機動隊第2中隊第4小隊に所属していた巡査部長が中心となり、2022年から2024年にかけて不適切な取り締まりを繰り返していたことが次々と明らかになった。スピード違反の追尾では本来必要な距離(通常数百メートル以上)を確保せず短距離で認定したり、車間距離不保持では安全な間隔を無視したまま違反を適用したりしていた。追尾距離を実際より長く記載するなど、反則切符(青切符)への虚偽記入が常態化していた疑いが強い。さらに、実況見分調書についても現場再訪を怠り、過去の図面や地図を流用して偽造する手口が確認された。
小隊内で上司の警部補らがこれを黙認・追従していた組織的な側面も浮上。巡査部長本人は県警の聴取に対し「事務処理に時間を費やすより交通取り締まりに使いたかった」「実績をあげたかった」との趣旨で不正を認めている。
不正の具体的手口と規模の異例さ
不正の核心は「追尾距離の水増し」と「現場検証の省略」にある。
交通違反の多くはパトカーによる追尾測定が前提だが、巡査部長らは短距離追尾で即座に違反を決めつけ、書類上は「適正距離を確保した」と虚偽記載。見取り図や調書も「図面があるから現場に行かなくていい」と小隊内で共有され、刑事処分が必要な事案でも再検証を怠っていた。
関与した違反件数は約2700件(一部報道で2600件超)と異例の規模で、免許不携帯など明らかに適正な一部を除き、ほぼ全てを取り消す方針。ドライブレコーダーから明確に違反が確認できたケースは少数で、大半が証明不能となった。
反則金還付額は約3500万円(3000万円超とする報道もあり)と巨額で、違反点数の抹消も併せて進められる。県警は専従チームを編成し、被害者向け問い合わせ窓口を設置して対応を急ぐ。
SNS・世論の反応と「また神奈川県警か」の怒り
ニュース公開直後からX(旧Twitter)などで反応が爆発。
「また神奈川県警か」「不祥事のデパート健在」「組織ぐるみで冤罪作りまくってたのか」と過去の不祥事を引き合いに出す投稿が殺到。被害者らしきユーザーからは「ずっとおかしいと思ってた」「還付と点数抹消待ってる」といった声が上がり、
一部では「警察全体の信用が地に落ちた」「実績至上主義の闇」と厳しい評価が並んだ。特に「小隊ぐるみ」「上司も黙認」の報道が火に油を注ぎ、擁護的な意見はほぼ見当たらない。拡散スピードが極めて速く、朝日新聞や読売新聞、TBSなどの報道リンクが次々RTされ、トレンド入りする勢いだ。
神奈川県警の不祥事史 繰り返される体質問題
神奈川県警は人口密集地帯を抱えるため事件件数が多いが、不祥事の多さ・組織性で全国的に悪名高い。1999年には現職警官の覚醒剤使用を本部長ら幹部が組織的に隠蔽した「戦後最悪の警察不祥事」が発覚し、本部長経験者が犯人隠避で有罪となった。
以降も飲酒運転隠蔽、証拠捏造、性犯罪、ストーカー殺人対応ミスなどが続き、2025年には懲戒処分件数が全国上位を維持。直近では学校暴行動画拡散防止チラシが「被害者視点欠如」で大炎上し、投稿削除に追い込まれたばかりだ。こうした歴史的背景から、今回の不正も「またか」の諦めと怒りが混在。警察庁も規律緩みや改革形骸化を指摘する中、現場レベルの実績偏重体質が根本原因との見方が強い。
今後の影響と信頼回復の厳しい道のり
今回の事件は個人の逸脱ではなく、取り締まり運用の現場風土・組織文化に根ざした問題を示唆している。違反取り消しと還付が進む一方で、警察への不信は全国的に波及しかねない。
県警は再発防止策を急ぐが、過去事例から見ても言葉だけの対応では不十分。透明性の高い検証プロセス、第三者監視の導入、被害者救済の徹底が求められる。市民が安心して道路を走行し、警察に相談できる環境を取り戻すため、抜本的な体質改善が不可欠だ。異例の大規模不正がもたらす教訓を、単なるスキャンダルで終わらせてはならない。