中国バブル崩壊が深刻さを増している。「消費降級」が流行語となり、ルイ・ヴィトンやグッチは2年連続の減収減益に。一方、同じ中国市場で売上を2割以上伸ばしている日本企業がある。他社が苦戦するなか、なぜ「独り勝ち」できるのか。『マネーの代理人たち』の著者で経済ジャーナリストの小出・フィッシャー・美奈氏が、その理由に迫る。
フェイクニュース氾濫―中国の「今」を知る難しさ
先月26日、中国から大きなニュースが入ってきた。習近平総書記が、制服組トップを含む二人の中央軍事委員会メンバーを「粛清」したことだ。
軍制服組トップだった張又俠・中央軍事委員会副主席/Photo by Gettyimages
軍の最高幹部と参謀長が解任されて、200万人兵力を擁する人民解放軍の最高意思決定機関の委員7人のうち5人までが空席、という異常事態になったのだから大ごとだが、フェイク情報の多さに中国の専門家が悪戦苦闘しているのが、印象的だった。「北京で軍用車が走り回っている」などとするネット動画に、無関係な場所の過去映像が使われていたりするのがその例だ。
政府の公式発表があてにならないことが、さらに今の中国への理解を難しくしている。
例えば、中国国家統計局の発表では、昨年のGDP成長が5%、今年も4.5%程度は伸びる計画になっている。不動産投資がバブル崩壊で止まり、新規建築施工面積が年々減少、若年失業率が当局の発表でも2割近くで推移し、GDP4割を占める民間消費が停滞していることと、この数字は符合しない。それに、経済が順調に伸びているなら、税収が増えるはずだが、税収も減少傾向だ。
