記事のポイント
バーバリーは再編ではなく、アウターへの集中によって回復基調を築いた。
フルプライス販売とマークダウン抑制が、売上の質と収益性を押し上げた。
スカーフ戦略と外部データが、ヘリテージ需要の広がりを裏付けた。
バーバリー(Burberry)は、「バーバリー・フォワード(Burberry Forward)」の枠組みのもと、数年にわたり再編を進めてきた。しかし、直近の四半期決算が示しているのは、ブランドの再定義よりも、同社がもっとも強みを持つカテゴリーでの権威性を再確認することで築かれた回復だ。
1月21日に発表された会計年度第3四半期では、アウターが勢いの中核を担った。これは、バーバリーがスカーフを商業的な入口商品であり、かつ店舗生産性を高める原動力として重視してきた期間を経たうえでの動きである。
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当該四半期において、バーバリーは既存店ベースの小売売上高が3%成長したと報告した。これは、第2四半期に報告した2%成長からわずかながら改善している。
決算説明会で、最高財務責任者のケイト・フェリー氏は、この結果について「すべてのチャネルと地域において、より質の高い売上が実現したこと」を反映していると述べ、前年と比べて「マークダウン(値下げ)期間を短縮し、割引率を抑え、規模を控えめにした」ことが要因だと説明した。
来店客数は引き続き厳しい状況にあるものの、フルプライスでの販売が強化されたことに支えられ、コンバージョン率と平均客単価は改善したという。
ヘリテージ重視の戦略が奏功し主要カテゴリーが2桁成長
バーバリー・フォワードは、最高経営責任者のジョシュ・シュルマン氏が導入した、ブランドおよびオペレーションのための社内運用体制のことである。数年をかけ、クリエイティブの方向性、マーチャンダイジング、市場投入の実行を再調整することを目的としている。
その取り組みには、とくにトレンチコートやヘリテージアウターにおけるカテゴリーの権威性を研ぎ澄ますことが含まれており、継続型スタイルをより明確にし、仕入れを絞り込み、ランウェイと店頭展開の連携を高めてきた。マーケティングも、ヘリテージや主力商品のストーリーテリングをより明示的に打ち出す方向へとシフトしている。
たとえば、2025年10月にオリヴィア・コールマン氏を起用した「It’s Always Burberry Weather」キャンペーンや、アウター、スカーフ、季節の装いに強く焦点を当てた2025年のクリスマスキャンペーンなどである。商業面では、マークダウン期間を短縮し、プロモーションの強度を抑えてきた。
「主力カテゴリーは引き続き好調で、スカーフとアウターはいずれも2桁成長を記録しており、この勢いはいまやハンドバッグやレディ・トゥ・ウェアにも広がりつつある」とフェリー氏は述べた。さらに、2026年春夏コレクションに対する顧客の好意的な反応により、「実売数が大きく改善した」点にも言及した。
世界200カ所の「スカーフバー」新設で店舗生産性を最大化
スカーフは、同社にとって安定した売上をもたらしてきた。バーバリーは、世界で190カ所のスカーフバーを展開している。
これは、集中的な商品構成、パーソナライズ、ギフティングサービスを提供するための店内専用什器であり、来店客数、購買転換、リピート来店を促進することを目的としている。年内には、さらに200カ所を開設する計画である。
フェリー氏は、これらが引き続き高い成果を上げ、小売生産性を押し上げていると述べた。その結果、エントリープライス商品のプロモーションへの依存度を下げ、売り場全体でフルプライス販売を支えることが可能となり、再びアウターが主導的役割を果たす条件が整った。
第3四半期におけるスカーフ購入の半数はパーソナライズされており、個性的な要素を持つヘリテージ商品への需要が高まっていることが示された。
「アウターとスカーフは世界的に引き続き好調で、いずれもヘリテージ商品であり、ほかのカテゴリーよりも高いパフォーマンスを示している」と、投資調査会社バーンスタイン(Bernstein)のラグジュアリーグッズ担当アナリストであるルカ・ソルカ氏は述べている。
シュルマン氏によれば、「我々の顧客は、時代を超えた英国らしいラグジュアリーな表現と、ランウェイのルックと商業的な部分がシンクロしている点に反応している」という。これにより、バーバリーは「幅広いラグジュアリー層にリーチできている」と付け加えた。
また、アウターウエアの強みは従来の顧客層にとどまらず、中華圏とアジア太平洋地域のZ世代においても2桁成長を記録していると指摘し、この点は広く報じられている。
検索数とクリック数が急増、マーケティング投資が需要を喚起
世界最大級のアフィリエイト・ショッピング・プラットフォームであるLTKの担当者によると、2025年第4四半期にアフィリエイトショッピングプラットフォーム上でもっとも購入されたバーバリー商品は、ミッドレングスのカムデン・ヘリテージ・カーコート、ロング丈のケンジントン・ヘリテージ・トレンチコート、ウォータールー・ヘリテージ・トレンチコートなど、ヘリテージアウターに大きく偏っていた。
コットンのポロシャツやミディアムサイズのチェック柄ボウリングバッグも、上位商品に名を連ねた。
同担当者はさらに、11月と12月にかけて、バーバリーに関する1日あたりの平均検索数が増加したと述べた。バーバリー商品への1日あたりの平均クリック数は、前年6月以降着実に増加し、第4四半期にピークに達した。
第4四半期では、前四半期比で平均クリック数が48%増加している。この伸びは、寒冷期の購買需要が高まる時期において、ブランドを想起させ続けた最近のマーケティング投資を反映している。
決算説明会において、バーバリーは一部の主要アウタースタイルで仕入れが不足していた可能性を認めた。しかし、これは健全な状況でもあると、アナリストはGlossyに語っている。
「一部の主要カテゴリーで在庫が不足した」とシュルマン氏は述べ、カシミアのケンジントン・トレンチコートが予想以上に早く売れ、シーズン後半には店頭で見つけにくくなったことを例に挙げた。ニットウェア、とくにアウターのスタイリングと密接に結びついたカシミア製品も、キャンペーンでより前面に打ち出された結果、予想を上回る実績を示した。
価格規律とフルプライスへの回帰
ダナ・テルシー氏は、バーバリーの第3四半期の売上について、「前年よりもプロモーションへの依存度が低く、より質の高いものだった」と述べ、来店客数に伸びないなかでも平均客単価が上昇した点を評価した。ハンドバッグやレディメイド服における勢いについては心強いものの、まだ初期段階だとした。
価格設定の規律は、引き続き戦略の中核に据えられている。フェリー氏は、マークダウン活動の縮小をフルプライス販売の加速が相殺したと述べ、トップ顧客、社員、選定されたパートナー向けのプライベートセールへの回帰が「想定どおり全体のマージン改善につながった」と説明した。
バーバリーは、通期の調整後営業利益が市場予想と一致する見通しであるとしつつ、収益の質を引き続き改善していくとしている。
「バーバリー・フォワードの枠組みのもとで初めて手がけられた直近のフルプライスの秋冬コレクションの販売実績は、1年前と比べて大幅に高い」とソルカ氏は述べた。「2年間にわたるマイナス成長を経て、バーバリーは成長軌道に戻りはじめており、ラグジュアリーブランドとしての参加資格だけでなく、勝利への道筋も示している」。
シュルマン氏が決算説明会で述べたように、「長期的な成功に向けて、すべてのシグナルは確実に非常にポジティブなものになっている」。
[原文:Luxury Briefing: Inside Burberry’s outerwear-led recovery]
Zofia Zwieglinska(翻訳、編集:藏西隆介)
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