細部にこだわって『際』で勝つ
勝負強さを手にして、いざ頂点へ

MF 22 遠藤渓太

2026シーズンの明治安田J1百年構想リーグに臨む全青赤戦士を紹介する『PLAYERS FILE 2026』。果たしてハーフシーズンの特別大会を控えた選手たちはどんな想いを抱き、いかなる覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。

思わぬ負傷で大きく出遅れてしまった2025シーズン。数字の部分では最終的に巻き返したものの、遠藤渓太にとっては悔いの残る時間となってしまった。そのなかで手にした内側でのプレーは、持ち前の得点力を活かすものとなった。迎えた特別大会でチームに求めるものは勝負強さ。勝つチームになるために、青赤の背番号22はピッチで輝く覚悟を固めている。

大きな誤算が生じていた。3バックに取り組もうとするFC東京にあって、ウイングバックの有力候補だった遠藤渓太が開幕目前に負傷。右肩関節脱臼でしばしの離脱を強いられ、復帰後も肩をかばいながらのプレーを余儀なくされた。「本当に肩の怪我が誤算でした」と語る遠藤の言葉に実感がこもっていた。

「新しい試みで、楽しさもありながら3バックに取り組んでいました。でも自分が離脱したことでチーム作りにおいて難しさが生じたと思うし、そこは申し訳なかったと思っています」

「練習中にもみんなに気遣ってもらった」というチームメイトの協力もあって順調に回復し、チームが4バックにシステムを変更したリーグ後半戦に3得点を重ねて5ゴール。リーグ戦で2024シーズンと同じ得点数を記録し、出場時間も前シーズン並みの水準まで巻き返した。

「ウイングの選手をフリーにさせて仕掛けさせるというチームスタイルではなかったので、ゴールに一番近い場所を考えたら、その答えはやっぱり内側だった。その意識でプレーして、よりゴールに近いところでゴールに絡めるようにしたかった」

この工夫が実った。個人的にも手応えがあり、「一つきっかけを掴めば大きく飛躍できるチーム」という予感も相まって青赤での冒険継続を決断。在籍3シーズン目となる今シーズンにさらなる進化を遂げ、成果を手にしようという高い意欲で始動し、沖縄糸満キャンプに臨んだ。

まずは短期決戦の明治安田J1百年構想リーグ。2026/27シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート出場権獲得のために、より集中力を研ぎ澄ませている。

「そもそも試合数が少ないし、勝点を落とさないように最後の最後まで集中することが必要。それは攻撃もしかり。負けている時に追いつくことがどれだけ価値のあることかを認識しないといけない。例年以上に勝負の細部、際のところが大事になってくる」

特別大会で実施されるペナルティキック戦を考えれば、終了間際の同点ゴールは勝点ゼロを2に変える可能性を含んでいる。そしてその1点を決めるのは遠藤の右足かもしれない。

「その勝負強さを売りにやっているので。怪我をしないでシーズンを終えればそれなりに点をとることができると思う」

特殊なレギュレーションの大会に、己の力を活かす余地がある。ならば、毎シーズンのように課題となってきた弱みを克服し、本来備えている強みを発揮して優勝という果実を得るのみ。背番号22のターゲットは定まった。開花の時はもうすぐだ。

(文中敬称略)

Text by 後藤 勝(フリーライター)